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分析力だけでなく仕事に「直感」が必要な納得の訳 憑依力こそ最高の成果を生み出すスキルである

東洋経済オンライン / 2024年8月16日 11時0分

直感を磨くと、筋のいい仮説が立てられるようになります(写真:Graphs/PIXTA)

決断の際には分析力だけでなく直感も重要である。『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』の著者レジー・フィサメィ氏は、そう本書に記している。

その点に着目し、課題解決においても直感が欠かせないと話すのは、「サントリー角瓶」や、配車アプリ「GO」などのマーケティングを手がけてきた齋藤太郎氏だ。

単なる「ひらめき」ではなく「課題解決に役立つスキル」としての直感は、自分で磨くことができる。『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』の著者でもある齋藤氏に、その要諦を聞いた。

「直感」を使って仮説を立てる

著者のレジー・フィサメィ氏は、アメリカ任天堂への転職の打診があったとき、信頼している人たちに相談して全員から反対されたと言います。当時の任天堂は、PlayStationのソニーやXboxのマイクロソフトに差をつけられ、苦境に立たされていました。

平たく言えば任天堂は「落ち目」だったわけですから、著者がアドバイスを求めた人々が反対したのも無理はありません。しかし著者は転職を決意し、アメリカ任天堂のセールスとマーケティングのEVP(エグゼクティブ・バイス・プレジデント)に就任します。

このときのことを振り返り、キャリアの大きな岐路に立たされた際に決断するには「分析的思考」と「心の奥の直感」が求められると著者は記しています。十分にリサーチをして、任天堂の強みと弱みを天秤にかける。世間での評判にも目を向け、今は落ち目だとしても将来性があるかどうかを見極める。

そして今まで経験を積んできた自分が、そこで役に立てるかどうかを検討する。周囲に反対されてもなお、著者がアメリカ任天堂への転職を決めたのは、こうした分析的思考に加えて、直感に従った結果でした。

著者が直感を使って決断している様子は他にも見られます。本書を読んで、優れた分析的・戦略的思考によりアメリカ任天堂を復活させた男が、実は、折に触れ直感を信じて決断してきたというのも1つの発見でした。

私も、クリエイティブな課題解決において直感を重視しています。もちろんデータによる分析も重要なのですが、データが人々の実相のすべてを表しているわけではありません。私たちの会社では課題解決を進める際、直感を基に仮説を組み立てて、その答え合わせとしてデータを活用する、という順番で物事を進めることが多いです。

直感を磨くカギは「好奇心」

ここでいう「直感」とは、偶発的なひらめきに頼るということではありません。直感とは、自分とは異なる年齢、収入、立場など多種多様な属性からのものの見方・考え方を想像し、さらにはそこを自分自身に「憑依」させることができる能力であると私は考えています。

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