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澤上篤人「日本が長期株高トレンド入りした3要因」 投資はマネーの大きな流れに乗っていくこと

東洋経済オンライン / 2024年8月16日 9時0分

これらの3つが重なって、40年越しの株高現象となっているわけだ。

資産デフレにのたうちまわる

カネ余りバブル高を続けてきた株式市場が暴落に一転すると、個人投資家も機関投資家も大きな投資損失を抱え込む。それは避けられない。

個人投資家の場合は、「しまった、大損した」と嘆いたり、最悪なら破産して夜逃げに走ったりと千差万別だが、いずれにしても、自分の問題として終わるだけ。

一方、機関投資家や企業など法人投資家は大変である。いずれも巨額の投資損失をこうむると同時に、投資家顧客への運用責任や資金提供先への返済義務を果たさなければならない。これは、きつい。

その寸前までは、ごきげんで膨れ上がっていた投資勘定だ。それが、暴落相場で一挙に大きく目減りする。株価などがドスーンと下がった分だけ、資産勘定は蒸発したかのように大きく目減りしてしまうのだ。

一方、投資家顧客からの預かり運用契約や金融機関などからの借り入れ勘定は、まるまる残っている。資産勘定の大きな目減りに対し、そのまま残っている預かり運用分や借り入れ勘定との差額を「資産デフレ」という。

それまで、もっともっと儲けようと買い上げてきた上昇相場だ。それが暴落すると、必ず巨額の資産デフレが発生する。その資産デフレは機関投資家や法人投資家に、ずっしりと重くのしかかってくることになる(図表1参照)。

機関投資家の場合で見ると、運用していた投資勘定が大きく目減りしてしまった。それをなんとかしようにも、マーケット全般がもとに戻ってくれないことには、どうにもならない。かくして、運用成績の大幅悪化を投資家(顧客)に報告することになる。

年金など運用を委託していた顧客サイドでは、預けていた資産が大きく目減りしてしまった。「さあ大変、年金の給付などに支障をきたす。どうしたものか」と頭を抱えるが、暴落した相場はそう簡単に戻りそうにない。

他方、企業など法人投資家も財務にポッカリと空いた損失で頭を抱える。資産は大きく目減りした。それに対し、まるまる残った負債勘定を返済していかねばならないのだ。

このように、暴落相場で必ず発生する資産デフレは、機関投資家や法人投資家を大いに苦しめる。その先では、年金資産などの大きな目減りが社会問題となる。また、法人投資家の間では経営破たんも相次ぐことになる。

アセット・アロケーションの切り替えを

経済全体で見ると、マネーの大きな流れというものがある。それは、大河のとうとうたる流れと同じで、誰も逆らえない。誰にも止められない。

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