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阪神タイガースが「2軍球場」を巨大化する懐具合 総工費145億円で西宮から尼崎に2025年3月移転

東洋経済オンライン / 2024年8月16日 8時0分

現在、タイガースは甲子園球場の銀傘をアルプススタンドまで拡張する計画も公表している(2028年3月完成予定)。「儲かっているから、1軍や2軍の球場を整備・拡張する」という関西私鉄グループ関係者の指摘は、うなずける側面がある。

新ファーム施設は、従来の施設から大幅に機能がアップする。メインスタジアムは鳴尾浜球場の7倍以上となる3600席を設置。球場の広さ、向いている方向は甲子園球場とまったく同じにする。グラウンドも外野には天然芝を張り、内野には黒土を盛る。この仕様も甲子園球場と同じだ。

甲子園球場が2個入る大きさ

室内練習場にいたっては、甲子園球場に隣接する1軍選手が使用するものよりも1.5倍の大きさとなる。選手寮・クラブハウスには、トレーニング施設や流水プールのあるリハビリ施設も配置する。

1つひとつの施設が巨大化、グレードアップするわけだ。その大きさは、阪神タイガース球場施設工事所の遠藤孝治工事所長(熊谷組)によると、「ボールパーク全体では甲子園球場が2個入るほど」になる。

ボールパークは、早くもファンから注目を集めている。

8月6日に行われた工事の内覧会(日本建設業連合会が主催する親子向けイベント「けんせつ探検隊」として実施)は、抽選で選ばれた30名の親子が出席。ほぼ全員がタイガースファンだ。内覧会の受付開始時間にはすでに7割近くの親子が会場入りするほどの熱の入りようだった。

「おもしろーい」「広いなあ」。メインスタジアムなどの工事の様子を見て回った子どもたちからは、ときおり歓声が上がった。

内覧後の質疑応答では、「工事費用はいくらぐらい?」「工事現場で気を遣っていることは何?」といった質問を工事関係者に矢継ぎ早に投げかけた。中には、「ゼロカーボンって何のこと?」「どうやってゼロにするの?」と、関係者が回答に戸惑うような本質的な質問も出た。

タイガースがファーム施設をグレードアップする背景には、ボールパークを収益源のひとつにしたいとの思惑がある。阪神阪急HDの広報IR担当者は率直に語る。「(新球場は)もちろん収益化を意識している」。

ファーム施設を「コンテンツ」に

プロ野球球団では今や、ファーム施設をコンテンツとして収益化しているケースが多い。

福岡ソフトバンクホークスは、2016年にファームの本拠地を「HAWKSベースボールパーク筑後」(福岡県筑後市)に移した。ボールパーク内には2つの球場に室内練習場や寮・クラブハウスを備える。オフィシャルグッズストアや飲食店もある。

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