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夏休みの悩み「自由研究」東大生は何を調べてた? 現役東大生が小さいころに選んだテーマを解説

東洋経済オンライン / 2024年8月16日 10時0分

では今度は、その左右に移動した先にそれぞれ1本ずつ釘があると想定してみましょう。

この場合も、また50%ずつの確率で左右どちらかに移動することになります。これを何回も何回も繰り返していると、メダルはずっと左に行くことも、ずっと右に行くことも、そして左右まんべんなく移動し真ん中のほうにとどまることも可能性としてありえます。実はこれを、数学的に解析することができるのです。

さきほどの釘を以下の図のように並べ、メダルの移動に対してつねに真上から釘にぶつかるように釘どうしの横の間隔をメダルの半径と同じになるように調整したものを用意します。

※外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

すると、メダルは「すべて左に行った場合」から「すべて右に行った場合」までの9種類の最終到着地点の可能性があることがわかります。

●メダルの通る可能性のあるルート

さて、9個の受け皿のうちどの場所にメダルが入る確率が一番高いでしょうか。ぜひ考えてみてください。

実はこの問いの答えは、真ん中の⑤になります。自由研究の観点から言えば、実際に試してみて結果を調べてみるのがよいのですが、今回は数学的に証明してみます。

高校数学の「組み合わせ」で考えてみる

メダルは上から8個の釘に当たるたびに、2分の1ずつの確率で左か右のどちらかに移動します。それを繰り返し、最終的に左に何回、右に何回移動したかでどの受け皿に入るのかが決定します。

例えば上から順番に、「左右左右左左左右」であれば、合計して左5回右3回であるため、図の④にメダルが入ります。「左右右右左左左右」であれば、合計して左4回右4回であるため、図の⑤にメダルが入ります。

これが仮に4回目と5回目の順番が入れ替わり、「左右右左右左左右」となっても合計した回数は左4回右4回となるので、先ほどと同じ図の5番にメダルが入ります。つまり、どのタイミングで左へ、右へ行ったかにかかわらず、合計の左移動、右移動の回数によって場所が確定するのです。

ここで、高校数学の単元である数学A「場合の数と確率」の中での、「組み合わせ」の考え方が活用されます。

「左7回右1回」の移動であれば、1回目から8回目のどこで右移動が行われるか、つまり8通りの組み合わせが存在することになります。

一方、「左6回右2回」の移動であれば、1回目から8回目から2回の右移動を選択する必要があるため、1回目をどこで行うかの8通り、そして2回目を1回目以外のどこで行うかの7通りをかけ算して組み合わせを求めることになります。

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