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プロが教える「読めばお金に強くなる」厳選本3冊 人生というゲームでの「お金の扱い方」を学ぶ

東洋経済オンライン / 2024年8月17日 10時0分

また、円安をもたらしている日本経済の構造的な問題についても言及されており、将来に向けて私たちがすべきことも提示してくれています。

「来年には、1ドル〇〇円になっています」と天気予報でもするかのようなエコノミストもいますが、通貨価値の未来は自然現象ではありません。本書からは、「日本が抱えている問題をどうにか解決して、未来を変えていかないといけない」といった唐鎌さんの危機意識も感じられます。

3冊目は、「人生というゲーム」の中で、お金をどのように位置づければいいかを学べる本です。

お金以外に増やすべき資産

(『きみのお金は誰のため』第3話 お金の謎3「みんなでお金を貯めても意味ない」より)

「年金問題もそれと同じなんや。お金が足りないんやない。少子化によって、生産力が足りなくなるんや。1個しかないパンを若者と老人の2人で奪い合うようなもんや」

(中略)

「無理ゲーですよ、それ。お金貯めても、物が足りなければ、値段があがるんですよね。お金をたくさん持っていたらイスに座れるけど、誰かがイスからはじき出されるってことでしょ?」

(中略)

「年金の問題を解決するには、お金を貯めてもしょうがない。少子化を食い止めたり、一人当たりの生産力を増やしたりしないとあかん」

少子高齢化が進んで働く人が減れば生産される物は減りますし、医療や介護などのサービスも足りなくなります。すでにさまざまな分野で人材が足りない状況に陥っています。

私たちは将来に備えてお金を貯めようとしていますが、そもそも物が足りなければ物価が上昇します。ありつけない人がどうしても出てきます。

問題解決には、国全体で少子化対策や生産性の向上に取り組む必要があります。

では、個人レベルで備えることはできないのか。それについて教えてくれるのが、最後に紹介する『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』です。

お金を増やすことに囚われていると、「老後の不安=お金の不安」になってしまいますが、著者のリンダ・グラットンさんは、人生100年時代に備えて生産性資産、活力資産、変身資産という3つの資産を備えたほうがいいと提案しています。

自分自身の将来の生産性を高めることが、老後の不安を払拭してくれるのです。

これらの本は、単なる金融知識を超えて、経済や社会の本質を見せてくれます。

「お金を増やすゲーム」から抜け出して、人生を豊かにするためにこそ、お金の勉強をすることをおすすめします。

田内 学:お金の向こう研究所代表・社会的金融教育家

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