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大活躍「ロバート秋山」なぜ「天才」と呼ばれるのか 令和の正統派「万能」コメディアンの魅力とは

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 12時0分

このように最近は、バラエティはもちろんドラマに歌にと万能ぶりが際立つ。しかも、普通なんでもできる器用な芸人にマニアックな印象はあまりないが、秋山は異なる。メジャーになってもマニアックさが失われない。その点、別格だ。

芸人・ロバート秋山の3要素とは

ロバート秋山の芸は、どんな場合も演技力、発想力、そしてアドリブ力がベースにある。この3つがしっかり噛み合うことで、他の芸人には追随できない「秋山ワールド」が生まれる。

演技力についてはいうまでもないだろう。大河ドラマでもそれは証明されているが、バラエティ番組でネタをやっていないときも“素が見えない”ところがある。いつも誰かを演じているような底の知れなさとでも言ったらよいだろうか。

「クリエイターズ・ファイル」も、よく見ると絶対にいそうにない人物なのだが、秋山が演じることで「こういう人いるよね」と思わされてしまう。

裏を返せば、そこには卓抜な発想力がある。

「クリエイターズ・ファイル」は「あるある」ネタ的なところもありつつ、「どこからこんな人を思いつくの?」というオリジナリティに驚かされる。「TOKAKUKA」にしても、「そこを歌にする?」とあきれながら感嘆してしまうような発想の飛躍がある。

あまり知られていないかもしれないが、『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)で実は3回優勝経験があるように、大喜利にも強い。

そしてそれらにアドリブ力が加わることで、いっそう芸のすごみが増す。

『秋山ロケの地図』で即興劇をやるとき、もちろん台本はない。すべてアドリブである。たとえ素人が相手でも面白く成立させる手腕は流石だ。

また同じなりきり芸人の代表格である友近などとのコラボでは、アドリブ力が全面的に解き放たれる。

2人のコラボで有名なのは町内会ネタ。秋山と友近がそれぞれ町内会の会長と副会長に扮し、お祭りの運営や自転車置き場のことなど小さなことで自分がマウントを取ろうとして延々と小競り合いを続ける。笑いながらも、よくぞここまで即興でやり取りが続けられるものだと感心してしまう。

こう見てくると、ロバート秋山は、基本スペックが抜群に高い正統派コメディアンの流れを汲む芸人なのがよくわかる。実際はそうではないが、まるで浅草の舞台で鍛えられた芸人であるかのような印象もある。

そんな正統派がマニアックな存在に思えてしまうのは、いまのテレビでは漫才がバックグラウンドにある人気芸人が主流を占めているからということもあるだろう。

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