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休憩が有利?意外な人が活躍する「ゆるスポーツ」 苦手なら、人でなく「スポーツが変われ」ばいい

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 9時0分

1つエピソードを紹介します。サッカーでシュートを決めたいという夢を持つ、心臓病の少年がいます。彼は1分ほどなら走れますが、走った後はこまめに休憩して心拍を安定させなくてはいけません。「この要素をスポーツ側にインストールしてみよう」と考え、誕生したのが「500歩サッカー」という競技です。

「500歩サッカー」では全員が500歩しか動けず、残り0歩になったら退場です。ただし、その場で休憩すれば歩数が回復。つまり、プレー中に休憩することがメリットになります。彼の身体状況は変わらずとも、スポーツが変わることで、サッカーを心置きなく楽しめるようになりました。

人間の変化や変化スピードには限界があるため、社会が変わるほうが効率がいいと考えています。政策や法律を変えるというアプローチもありますが、僕たちは「ガチガチの世界をゆるめていいんだよ」というメタメッセージを発信しながら、スポーツをはじめ芸術(ゆるアート)や音楽(ゆるミュージック)などを変える方法で活動中です。

必然性だけでスポーツをつくれば、流行に左右されない

──「世界ゆるスポーツ協会」の競技数は現在120を超えますが、特に個性が光る競技を教えてください。

「くつしたまいれ」は、シンプルながらよくできたゆるスポーツです。バラバラに散らばった靴下の中から同じ柄を探し、ペアにして重ねて丸め、カゴに投げる。運動会でやる玉入れと同じく、たくさんカゴに入れたチームが勝ちです。靴下とカゴさえあればできますし、 “お手伝いスポーツ”としても人気です。

これは玉入れに“ペアを探す”・“丸める”という複雑性を加えているのですが、複雑性があるということは役割が増えるということ。玉入れでは腕力がある子などが活躍しますが、「くつしたまいれ」では、色や形をそろえて整理整頓する特性を持った、とある発達障害の子もヒーローになりました。

──企業や自治体とコラボして生まれた「ゆるスポーツ」もあるとか。

「ハンぎょボール」は、ハンドボールとブリの街である、富山県氷見市とつくりました。ブリのぬいぐるみを脇に挟んだままボールを投げるのですが、得点すると脇に抱えるブリが出世して大きくなります。つまり、だんだんシュートを決めづらくなるわけです。物を脇に挟むことで全員が平等に下手ですし、活躍するほど動きにくいというジレンマも、出世魚であるブリの特性が反映されているので、腑に落ちるんですよね。

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