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休憩が有利?意外な人が活躍する「ゆるスポーツ」 苦手なら、人でなく「スポーツが変われ」ばいい

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 9時0分

僕らは「ゆるスポーツ」と謳いながらも、ルール設定は「ガチ」です。スポーツマイノリティーの人たちも楽しめるかは念入りに検証しますし、すべてのルールに必然性を持たせたい。必然性だけでスポーツをつくれば、作り手の邪念や流行が入る隙はできません。そのため、一時のブームに左右されない普遍的なコンテンツが完成します。100年後も残っておかしくない「ゆるスポーツ」づくりをしています。

遊びの価値は、思い切りトライアンドエラーできること

──近年の「ゆるスポーツ」の傾向として、特徴的な流れはありますか。

「ハンぎょボール」のような「ご当地ゆるスポーツ」が増えています。「世界ゆるスポーツ協会」の地域支部「横浜ゆるスポーツ協会」が誕生し、地域でご当地スポーツをつくって自分たちで運用し、イベントなどを回していく動きがあります。

小学校を中心に、学校で自発的に「ゆるスポーツ」をつくる動きも増えています。例えば昨年、徳島県三好市の某小学校では、ご当地ゆるスポーツをつくるための年間スケジュールを先生と児童たちで決め、50時間以上かけて完成させました。お披露目イベントも企画し、地域の人にビラを撒いたり、徳島県知事にも連絡して来訪してもらったそうです。

──子どもたちは「ゆるスポーツ」づくりを通じて成功体験を得られるのですね。

想像以上に子どもたちの発想が豊かで、僕たちも勉強になっています。このような経験は、子どもたちの大きな未来につながるのではと強く感じています。

協会立ち上げ当初から、活動を通していろんな人を“プレイヤー”と“クリエイター”にしたいという方向性を掲げていました。スポーツは見るよりプレーするほうがリターンも多い。オーディエンスからプレイヤーにしたいですし、みんなの中に眠っているクリエイターマインドを掘り起こしたいと思っています。

スポーツはたかだか息抜きで遊びです。ということは、うまくいかなくても支障はありません。だからこそ、普段はできないフルスイングができるし、たくさん失敗できる。これこそが、スポーツを含めた遊び全般の価値ではないでしょうか。この社会は遊びを過小評価しすぎているきらいがあるので、遊びの再定義も含めて動いています。

スポーツとは、“再生一時停止ボタン”である

──最後に、澤田さんにとってスポーツとはなんですか?

「Play(プレー)」は、スポーツをするうえで重要なワードです。「Play」には「遊ぶ」などいろいろな意味がありますが、僕が1番好きなのは“再び生まれる”と書く「再生」。僕にとってのスポーツを一言で表すと、「再生一時停止ボタン」です。

そもそもスポーツの語源が「港から離れる」であるように、スポーツは日常を一時停止して非日常を再生し、新しい自分や本来の自分に再び生まれ変わる行為だと感じています。

例えば、親である自分や上司である自分を一時停止して、いったん保留する。そしてまた同じボタンを押して日常に戻る。

ただしスポーツがすばらしいのは、勝つという嬉しい体験や、友達ができたという確かな財産が日常にも生きることです。非日常でも完全なファンタジーではなく、得たものが人生にフィードバックされるという、日常と地続きである点がよいですよね。

「人生に大きな影響を与えるボタンである」と、存在の大切さをかみしめながら日々スポーツの現場に立っています。

せきねみき:ライター・コラムニスト・編集者

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