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50代で直面する「役職定年」をどのように捉えるか これからの人生、迷惑をかけずに暮らすには

東洋経済オンライン / 2024年8月19日 14時0分

これからの人生を人に迷惑をかけない形で、自分でコントロールしていきたいと考える方には、まさにリスキリングが必要です(撮影:今井康一)

2023年12月にマンパワーグループが発表した「2024 Global Talent Shortage」によると、日本の組織の85%が人材不足で、この割合は調査した国の中で1番高く、世界平均の75%と比較してもより大きく顕在化している課題だといえます。

一方で、2023年にWHOが発表した世界保健統計において、日本は平均寿命、健康寿命ともに世界ランキング1位となっています。健康寿命が今後延びていくことを前提にするならば、生活する時間も、働くことが必要な時間も長くなると考えられます。

日本のリスキリング第一人者である後藤宗明さんは、「リスキリングで現在の雇用に頼らない人生とキャリアを自ら創造する」時代だと言います。著書『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手にいれる』(朝日新書)より一部抜粋・編集してお届けします。

待ち受ける雇用環境の悪化

組織に雇われるという選択をしている方々を加齢とともに待ち受けているのが、ネガティブな雇用環境の変化です。遭遇する可能性のある事象を時間順に簡単に整理してみます。

まず、40代から対象となる可能性があるのが、早期・希望退職の制度ではないでしょうか。

早期退職と希望退職の線引きが曖昧な場合もありますが、厳密に言うと、早期退職は、組織が福利厚生目的も含めて用意している人事制度で、働く個人が自ら利用を希望するものを指します。

一方、希望退職は人件費削減を目的として、会社が一時的に募集するもの、という性質の違いがあります。ただ、組織からの退職勧奨などがあった上での自己都合退職、会社都合退職など、グレーな部分も実態としては多くあります。

早期・希望退職制度においては、退職金の割増があることが一般的で、キャリアプランによっては、早めに住宅ローンの返済をして新たな人生に挑むといったことも可能ではあります。

しかし、割増があるといっても限りがあり、早期・希望退職制度を活用してポジティブな結果が期待できる人は、次に挙げた両方の選択肢を兼ね備えている人、もしくはすでに資産があってリスクを取れる方のみではないかと思います。

(a)明確なキャリアプランがある人(個人事業主、起業など含む)
(b)転職しても収入が下がらない、もしくは上がる人

会社からの強硬な退職勧奨があって、退職せざるを得ない環境にあるなどの場合はここでは除きます。

30代のうちに明確なキャリアプランに沿ってスキルを習得しておけば、早期・希望退職をポジティブな契機と捉えることができます。

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