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JR東・東海・西「新幹線アイス」でコラボ商品の狙い 開発現場に潜入、会社の垣根越え25年販売目標

東洋経済オンライン / 2024年8月19日 7時30分

地域性だけでなく話題性も意識

続いては、JR-PLUS東京列車営業支店の髙橋怜奈さん。「自身たちが味の選定から携われることにやりがいと責任感を感じます」と意気込みを口にする。東京、大阪2拠点のアイデアを1人でプレゼンした。東京列車営業支店ではJ-Creation同様に岡山の桃を提案。しかし、シンプルに果汁を使用するのではなく、ピューレを使用することで、果実感と濃厚さを狙う。桃フレーバーはかつてFSNも発売していたが、「濃厚さで差別化したい」と力説。一方、大阪列車営業支店では同じく岡山名物でも「きびだんご」に注目。ほかにももみじ饅頭など、地域性を意識した斬新なアイデアが光った。

最後に登壇したのはFSNの角屋早紀さん、小嶋笑美子さん、松田泉美さん、寺沢春奈さん。それぞれ大阪・岡山・広島と今回最遠となる博多の拠点に所属する。まず提案されたのは昨年、阪神タイガースの優勝とともに話題となった、「パインアメ」とのコラボ。「黄色つながりでパッケージに“ドクターイエロー”を描き、さらなる話題性を狙いたい」とプレゼンした。

続いて、岡山のマスカット・オブ・アレキサンドリアの果汁と、果粒を使用したフルーツフレーバーや、グリーン車で販売する際によりプレミアム感を演出できる丹波大納言小豆、福岡県産あまおうを使ったフレーバーなどをプレゼンした。西日本エリアに拠点を置く会社とあって、具体的な銘柄をピックアップし、その活用方法も細部までこだわった。「N700系の形をしたチョコを載せてアクセントにするだけでなく、SNS映えを狙う。まれにドクターイエローを交ぜることでエンターテインメント性を出したい」といった多角的なコンセプトもインパクトがある。

各プレゼン後は、質疑応答が行われた。フルーツフレーバーについては、「レモン、桃といったさわやかさと新幹線アイスクリームが持つ濃厚さの両立はどうするのか」と質問が挙がり、それに対してパーサーたちは「ずんだなどの濃厚さに重きを置いた商品と異なる、さっぱり系のニーズもあるのでは」と回答した。

また、「関東圏の人からすると桃、マスカットと聞いて岡山を産地として想像するか」とご当地感についても質問が挙がったが、「確かに関東に住んでいると山梨を想像することもあるが、岡山も思い浮かぶ」と率直な感覚で答える。そんなやりとりに、「商品開発にはストーリーが大切だが各プレゼンにはストーリーがしっかりあり、感動した」とJR-PLUS杉本氏が本会議の感覚を話す。「私たちもストーリーを大切にしてきたので、伝わったのがうれしかった」と7人も少し安堵の表情を見せた。

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