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菅田将暉主演「転売ヤー」を襲う"ネット社会の闇" 「Cloud クラウド」が描く見えない悪意の暴走

東洋経済オンライン / 2024年8月19日 12時0分

『Cloud クラウド』は9月27日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国劇場で公開予定©2024「Cloud」製作委員会(東洋経済オンライン読者向けプレミアム試写会への応募はこちら)

“転売ヤー”にいそしむ男のハンドルネームは“ラーテル”。そのやり方は、とにかく安く仕入れること。それが本物であろうがニセモノであろうが、売れるものなら何でも構わない。とにかく素早く売り切るのがコツだ。

【写真】菅田将暉主演『Cloud クラウド』の場面カット

だが知らず知らずのうちに周囲の反感を買ってしまった彼の日常は、インターネットを媒介に“集団狂気”へと増幅した悪意の塊によって脅かされていく――。

『クリーピー 偽りの隣人』『スパイの妻』の鬼才・黒沢清監督が菅田将暉を主演に迎え、現代社会に蔓延する“見えない悪意の暴走”を描き出した映画『Cloud クラウド』が9月27日より全国で公開される。

ベネチア国際映画祭などでの上映も決定

世界的評価の高い黒沢監督の最新作ということで、日本公開の前に、第81回ベネチア国際映画祭でのワールドプレミア上映、北米最大の国際映画祭であるトロント国際映画祭での上映も決定している。

本作の主人公は、工場で働くかたわら、安く買い集めた商品をネットで売りさばく“転売ヤー”の吉井良介(菅田)。

金を儲けるためには、時には相手の足元を見ることもある。たとえ「何の努力もせずに、ただ思いつきと直感だけ(で買いたたくなんて)。おかしくないですか?」と非難されても、「そういう仕事ですから」と意に介さない。

しかし楽をして儲けたいと思い、“転売ヤー”をはじめたはずなのに、生活は全然楽にもならず、儲かりもしない。転売のノウハウを教えてもらった先輩の村岡(窪田正孝)は「いつからこうなっちまったんだろうな……」とつぶやくが、果たして吉井の心にその言葉が響いていたのか。

そんなある日、工場の社長・滝本(荒川良々)は吉井に昇進の話を持ちかける。「吉井くんほどの才覚と忠誠心があれば、管理職として十分やっていけるよ」。

滝本の期待とは裏腹に、彼は滝本に工場を辞めることを告げる。意表を突かれた滝本は吉井にこう諭す。「それはきっと若さからくる射幸心ってやつじゃないかな。それは人よりしあわせになりたいと闇雲に願う欲望のことだ。それも大抵は、よせばいいのに危ない賭けに出て、あっという間に破滅してしまう。キミはそうなりたいのか?」。

だがもっと金を稼ぐために「生活を変える」と決めた吉井は、恋人の秋子(古川琴音)とともに、自宅兼事務所として安く借りることができた湖畔の立派な家に引っ越すことにする。

そこで転売作業を手伝ってくれる地元の若者・佐野(奥平大兼)をバイトとして雇い、新たな生活を始める。

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