ジム・ロジャーズ「投資で成功する唯一の方法」 世界の富裕層に共通する「お金」の考え方
東洋経済オンライン / 2024年8月21日 9時30分
シンガポール在住、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。
このたび『世界標準の資産の増やし方:豊かに生きるための投資の大原則』を刊行しましたが、同書に対して、世界的投資家のジム・ロジャーズ氏より「いま投資の世界は、特に日本で大きく変化している。本書から未来を最善なものとする方法を学んでほしい」という推薦の言葉をいただきました。
新NISAがスタートした日本で、個人投資家が成功するためには何が必要なのでしょうか。同氏に長年にわたって取材を続けていますが、「よい時代に正しい場所にいることが重要」というのが最も印象に残るフレーズの一つです。
日本は最も刺激的な国だった
「ここ50年の間、世界で最も刺激的な国は日本だった。ここ40年間はそれがシンガポールで、30年間は中国だった」(『お金の流れで読む 日本と世界の未来』)
「どうして世界中に桁違いに豊かな中国人が溢れていて、日本やシンガポールの不動産を買い漁るのだろう?」――こうした素朴な疑問を感じていたのですが、それはデータにも現れています。
UBS Global Wealth Report 2024によると、2008年以降個人資産が最も増加した地域の一つに中国本土が挙げられ、成人1人当たりの平均資産額は現地通貨で360%以上増加しています。
ジム・ロジャーズ氏も「1980年代に中国を見ていたら、それはとても安く、前向きな変化が起きていました。そのような変化は長く続くでしょう。これはほんの一例です。安くて、変化があったところで大儲けできたかもしれないでしょう」と言います。
私はシンガポールのスイス系ファミリーオフィスで働いていて、中華系のファミリーオフィスで働いているシンガポール人の友達もたくさんいます。
シンガポール金融管理局(MAS)によると、資産家一族の資産運用を手掛けるシングルファミリーオフィスの数は、同国では2020年の400件から1400件に増えており、東南アジアの50%のオフィスが集中しているという調査もあります。その中で中華系のオフィスは多いと感じます。
HSBC「Theriseof Asian Wealth」によると、シンガポールでは、2030年までに人口の13.4%が富裕層になると予想されており、これはアメリカ、中国本土、またはアジア太平洋地域の他のどの経済よりも高い割合になる予測です。富裕層の移住は現地の雇用を押し上げるなど、さまざまな経済効果があると感じます。
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