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最強のビジネスモデル「補完財型」は何が秀逸か 営業利益率やROEが群を抜いて高い納得の理由

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 9時0分

任天堂も「補完財プラットフォームモデル」に該当する1社だ(撮影:梅谷秀司)

勝ち組企業のビジネスモデル解剖などを掲載し話題となった、週刊東洋経済の「もうけの仕組み 2024年版」特集(2024年2月発売)。400社超について徹底分析する中で、収益性や経営効率の高さが際立ったのが「補完財プラットフォームモデル」だ。どんな特長があるのか。特集を担当した松浦大記者と、経済コラムニストでYouTuberの高井宏章氏の対談から一部をお送りする。

※記事の内容は東洋経済の解説動画「世の中のビジネスモデルは『9つの図解』でシンプルに理解できる」から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。

高井宏章(以下、高井):さまざまなビジネスモデルがある中でも「三者間市場」で商売をしている会社のケースとして、特集の中ではまずテレビ局(民放)などを含む「広告モデル」、そして広告代理店や人材紹介・仲介などを含む「マッチングモデル」を挙げています。これらはわりとわかりやすい仕組みでしょう。

【動画を見る】世の中のビジネスモデルは「9つの図解」でシンプルに理解できる

これに加えてもう1つ「補完財プラットフォームモデル」というのを挙げていますが、前の2つのモデルとの違いはどこにありますか?

松浦大(以下、松浦):「マッチング」も「補完財プラットフォーム」も、企業が仲介の場を提供するという点では違いがないのですが、「補完財」のほうは(場の提供だけでなく)自社の製品を売るというのも1つメインの商売になっているところです。

高井:例としてゲームの会社などを挙げていますね。まずは自社のゲーム機を売るのが1つ目の商売であると。

松浦:そこにサードパーティと呼ばれる外部の業者が乗っかって、ゲームのソフトを作って売ってくれる。そこから手数料を取るというビジネスモデルです。これの何がいいかというと、外部の業者が独自にソフトを開発・販売してくれるので、とても経営の効率がいいんですね。

高井:その部分をアウトソーシングしているようなイメージですね。自社のゲーム機の付加価値を、よそ様がどんどん上げてくれると。そうなれば自社のバランスシートを使った投資も少なく済むので、儲かっちゃうということですね。これが今のところ、究極のビジネスモデルと言えますか?

松浦:そう思います。

収益性と経営効率でマッピングすると

高井:ただ、そこにはなかなかたどり着けないというのが現実ですね。(三社間市場以外のモデルも含めた)全9種類のビジネスモデルを収益性と経営効率、そして該当社数でマッピングした図を見てみると、「補完財プラットフォームモデル」の会社はほんのひと握りだとわかります。

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