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東武日光線「板倉東洋大前から栃木」に何がある? 小さな駅でも構内が広い「北関東」らしい風景

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 7時30分

静和駅の構造は藤岡駅とそっくりで、駅舎と島式ホームは地下通路で結ばれている。地下通路を歩くほんの短い時間は夏の暑さが和らぐひとときの清涼。駅舎側には使われていないホームが残っているが、これはかつての貨物ホームの跡だとか。

静和駅から田園地帯を抜けると、再び市街地の中に入って新大平下駅へ。“新”と付くことからわかるとおり、大平下という駅もある。そちらはJR両毛線の駅で、両者は歩いて15分ほどの距離。ただ、新大平下・大平下間で乗り換えるお客はほとんどいないとか。そりゃあ、どちらも乗り入れる栃木駅が隣にありますからね。

さて、新大平下駅だが、こちらはこれまでの駅とは少し違った雰囲気を持っている。というのも、駅の東側には日立系列の巨大な工場があるのだ。だから出入り口は東口と西口それぞれに設けられているし、跨線橋の幅も広い。

駅舎は小ぶりだが広い構内

日立の工場がある東側には、駅舎の脇にスーパーマーケット。その南側には住宅地が広がる。西口も基本的には住宅地だ。その中にちらほらと飲食店があるのは、やはり工場があるからか。

「新大平下駅は太平山の登山口のスタート地点にもなっているので、行楽で来られる方もいるんです。特急の追い抜きが行われる駅でもあるので、2面4線で広い構内を持っているのも特徴です」(福田管区長)

そして、福田管区長が預かる栃木駅の管内で最後の駅が、栃木駅。新大平下駅を出てからしばらくは田園地帯を駆け、左側にJR両毛線の線路が見えてきたあたりから高架に駆け上る。高架上でJR両毛線とホームを並べるのが栃木駅だ。駅名標にはイチゴがあしらわれていた。

「栃木駅は、とにかく学生さんの駅ですね。埼玉県方面から県境を越えて通われる方もいますし、朝の通学時間帯にはかなりの学生さんでにぎわいます。國學院大學栃木への通学バスも駅前から出ていて、ほかにも県立高校がいくつもあって、各方面から毎朝たくさんの学生さんが栃木駅にやってきますね」(福田管区長)

ちなみに、JR両毛線の駅でもあるから、乗り換えるお客も多いのでは?と思ったら、意外とそうでもないらしい。

「乗り換えのお客さまは、あしかがフラワーパークに行かれる行楽の方などが中心ですね。栃木も蔵の町ということで、歩いて見るとなかなかいいところなんですよ。巴波(うずま)川には遊覧船も運行しています。2年に1回、大きな山車が出る『とちぎ秋まつり』もあって、これはなかなかの人出になるのだとか。今年はそのお祭りの年で、私も楽しみにしています」(福田管区長)

地元愛にあふれている

福田管区長は、昨年秋に坂戸駅から異動してきた。栃木駅にやってきて感じたこととは……。

「こちらの町の方々は、地元への愛が強いですよね。なんとか町を盛り上げようという熱意もすごい。私もJRさんと一緒になって、できることは協力したいと思っています。入館無料の『岩下の新生姜ミュージアム』を訪れる人も多いです。出てくるときにはテーマソングが頭から離れない。自然と口ずさんでしまうんです(笑)」(福田管区長)

栃木駅はもちろん特急の停車駅。古くは舟運で栄えた歴史を持ち、明治初期の一時期には県庁が置かれていたこともある。そんな歴史を感じることのできる町歩き。東武日光線の観光というと、どうしても日光のイメージが強い。

が、その途中にもこうした魅力的な町がある。ほかの小さな駅ともども、個性と奥深さを兼ね備えた北関東の駅めぐり。なかなか悪いものではなさそうだ。

鼠入 昌史:ライター

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