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テストの難問「とにかく悩む子」は成績伸びる根拠 最近の入試では思考力を問う問題が増えている

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 12時0分

アカデミックマインドのワークショップの様子(写真: 東大カルペ・ディエム提供)

最近の学校のテストや入試問題では、問いを立てて身の周りのことに疑問を持つ、「探求型思考力」が問われる傾向にあります。『アカデミックマインド育成講座』を監修した東大カルペ・ディエムの西岡壱誠氏が、問題が解けずに悩んでいる子どもに対して、有効なアドバイスを紹介します。

答えをすぐ教える?時間をかける?

1つの問題が解けずに悩んでいる子どもに対する大人のアドバイスとして、どちらのほうが正しいと思いますか?

【写真】『アカデミックマインド育成講座』(東大カルペ・ディエム 著、西岡 壱誠監修)では10代からの探求型思考力の身につけ方を紹介

A 「悩んでも仕方ないので、答えを見てみよう」と促す

B 「とにかく悩んでみよう」と本人がギブアップするまで待つ

答えを教えるか、悩んでもらうかの2択ですね。これは、多くの学校現場や塾で議論になる2択です。ベテランの先生同士でも回答は異なりますし、教育学部の先生でも意見が分かれます。

なぜ意見が分かれるのかというと、どちらにもメリットとデメリットがあるからです。

まず「答えを教える」指導は、生徒にどんどん次の問題を解いていくことを促します。悩んでいても答えが出ない問題も多いですし、何度も同じような問題を解くことで「慣れる」ということもあります。ですから、多くのことを効率よく学んでもらうときには、Aの指導のほうが正しいのです。

しかし最近の中学入試・高校入試・大学入試では、「悩む」指導を経験している生徒でないと解けない問題が多く出題されるようになってきています。

「悩んでみよう」という指導は、生徒に「この問題をなんとか解いてみよう」と粘り強く考え抜く時間を作ってあげることにつながります。

この問題を解く時間は、昨今の入試で重視されている「思考力」を育てます。悩んだ時間の分だけ「頭を使う」ことになり、「悩む練習」をすることができるようになります。それに対して「答えを教える」指導のデメリットは、「悩む」という時間をカットしてしまっている部分にあります。

最近の入試問題では、「教科書や参考書の知識をベースにしているけれど、おそらくどの参考書にも載っていないような問題」が出題される傾向があります。

昔の入試対策は、「もぐら叩き」に例えられていました。同じような問題が何度も出てくるので、参考書や過去問を反復練習することによって、対策が可能になる。まるで決まった巣穴から「もぐら」が出てくるのを叩くかのように、たくさん対策したらその分だけ成績が上がる、と。

受験生にとって「初見の問題」が数多く出題

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