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「家を買って後悔する人」の超残念な「住宅偏差値」 ○×でチェック!「大損する人」の共通NGは?

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 12時0分

不動産についての「間違った思い込み、古い価値観」を確認できるチェックリストを紹介する(写真:Werayuth/PIXTA)

住宅購入は人生で一番大きな買い物。それは令和の現在も変わらない。しかし東京23区では新築マンションの平均価格が1億円を超えるなど、一部のエリアでは不動産価格の高騰が止まらない。

不動産市場の変遷や過去のバブル、政府や日銀の動向、外国人による売買などを踏まえ、「これからの住宅購入の常識は、これまでとはまったく違うものになる」というのが、新聞記者として長年不動産市場を研究・分析してきた筆者の考え方だ。

新刊『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』では、「マイホームはもはや一生ものではない」「広いリビングルームや子ども部屋はいらない」「親世代がすすめるエリアを買ってはいけない」など、新しい不動産売買の視点を紹介。変化の激しい時代に「損をしない家の買い方」をあらゆる角度から考察する。

今回は、不動産についての「間違った思い込み、古い価値観」を確認できるチェックリストを紹介する。

「古い価値観」で対処しようとする人が多すぎる

最近の日経平均株価の激しい変動は、為替の動きに連動することが大きな要因だ。

【ひと目でわかる】あなたは何点?どのタイプ?「家を買って後悔する人」の超残念な「住宅偏差値」の中身

もちろん、直前の米国株式市場の動向にも強く影響される。

不動産市場においても、円安を契機に売買に参加する外国人が増え、外国通貨建てで見た日本の不動産価値の評価は、かつてないほど大きな存在になっている。

株もそうだが、不動産も為替連動要素から見れば、短期の値動きは読みにくくなっている

しかも、多くの人は、古い価値観にもとづいた「不動産に対する思い込み」でがんじがらめになっている。

先の見えない不動産市場で、これから家を買おうとする人に「〇×クイズ」を出したい。

数分でできるので、ぜひ試してみてほしい。

まずは、購入についてチェックしてみよう。

①「購入についての思い込み」をチェック

✔「マイホームは一生に一度の買い物」である
✔家はできるだけ長期ローンで買いたい
✔住宅ローンは固定金利か変動金利かの二者択一だ
✔今後金利が上昇するといわれるが、変動幅は大きくても数%なのであまり気にする必要はない。金利よりも不動産価格を注視すべきだ
✔不動産の相場を見るとき、日銀の動向を考慮に入れる必要はない

上記の項目について、〇(正しい)か×(正しくない)か、答えてみてほしい。

正解は「すべて×」である。

上記の質問で2つ以上の〇を付けた人は、住宅購入で大損をするだけでなく、住宅ローン破綻の可能性すらある。

これからは、住宅を金融商品ととらえ、割安時に買って高く売るという視点が重要だ。

そのために、金利や日銀の動向を注視することは重要だし、ときには分譲→賃貸→分譲を渡り歩くといったフットワークの軽さも必要になってくる。

また、同時に「マイホームは人生の夢」「一生に一度の買い物」といった古い価値観も、当然アップデートしなければならない。

物件についての〇×クイズ

次は、物件について、同じように○か×か、答えてみてほしい。

②「物件についての思い込み」をチェック

✔都心から3km圏内の面積に比べ、9km圏の面積は9倍も広い。そのため、郊外の不動産は値上がりしにくい
✔親世代(人口が増えていた時代)が好んだ住宅地は、値下がりの可能性が大きいので注意が必要だ
✔地価が高騰しているときは、人口が増えない穴場的なエリアで探すのがよい
✔タワマンは高額のため、なるべく一生住んだほうがよい

正解は「上から○、○、×、×」だ。

全問正解できなかった人は、古い住宅観を引きずっているので、やはり住宅購入で損をする可能性が高い。

これから人口が減少していく日本の現実を考えれば「郊外の広い家」が有利になることはない。

やはり、住宅はできるだけ都心・駅近という条件で探すべきだろう。

タワマンは「一生物の住宅」というより「資産性」を考えて売買を検討する視点が必要だ。

次は、立地についてだ。

③「立地についての思い込み」をチェック

✔地震や津波が怖いので、埋め立て地などは避け、山野を切り開いた丘陵地の宅地がよい
✔マイカーやバス便があるので、駅までの距離はあまり気にしない
✔住宅を買うとき、地名や地名の由来についてまで、考える必要はない
✔同じ価格なら、狭い都心のマンションより郊外の広いマンションを買う
✔多少不便な場所でも、老後を考えればマンションよりも「庭付き一戸建て」がベストだ

正解は「すべて×」である。

○が1つでもあった人は、地形や地名についての勉強や、将来の生活イメージが必要だろう。

バブル時代などに開発された新興住宅地は、駅から遠い、坂が多いなど、住民にとって不便そのものである場合が多い。

高齢になれば運転も難しくなるし、全国的にバスは減便の傾向がある。

高齢者こそ、できれば便利な場所に住むべきだ。

また、気候変動による災害のリスクは、今後ますます大きくなる。これまで大丈夫だったところでも、洪水や土砂災害などが起こる可能性がある。そのため、その土地の開発の経緯や災害の歴史などをひもといてみることも重要になってくる。

不動産業者についての〇×クイズ

最後は、不動産業者についてだ。

④「不動産業者についての思い込み」をチェック

✔価格は高くても、大手の業者から買いさえすれば、値上がりする可能性が高いので安心だ
✔不動産業者が調べた住みたい街や人気の街ランキングで上位のエリアなら大丈夫だ
✔日本の住宅や不動産に関する消費者への情報開示は、先進国並みに進んでいる
✔テレビCMに不動産や住宅のCMが多いのは、優良企業が多いからだ
✔マンションの内覧などでは、プロである不動産会社社員の説明が確実だ

これも正解は「すべて×」である。

○が1つでもあった人は、不動産業者にとって「最高のお客さん」である。

不動産市場では、情報の多くを業界・業者側が握っている。

一生に1度か2度しか家を買わない消費者が、公平な立場に立つことはない。

不動産売買において「消費者はカモである」くらいに思っておいたほうがよい。

相手の話を鵜呑みにするのでなく、最低限の知識と時代に合わせた正しい価値観を身につけ、自分の頭で考えることが大切だ。

(ただし、消費者がプロ並みの知識をつけようとすればうまくいくのかといえば、そういうわけでもない。政府や業界が用意した、彼らにとって都合のよいシナリオを覚え込まされる可能性もあるからだ)

「古臭い知識や価値観」なら、ないほうがマシ

さて、結果はいかがだっただろうか?

8割以上正解できたという人もいれば、正解率が5割以下という人もいるかもしれない。また、不動産のことはよくわからない、という人もいるだろう。

しかし、誤答が多くても心配することはない。

ひとつ言えることは、これまで「正しい」とされてきた不動産の常識は、役に立たないものがどんどん増えていく。

むしろ、よけいな知識があるほうが邪魔かもしれない。

「古い思い込み」を引きずるよりも、何も知らないまっさらな状態で、変化する時代の新しい常識・価値観を身につけるほうが、これからの「勝ち組」になれるかもしれない。

山下 努:不動産ジャーナリスト

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