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「朝昼夜0円サービス」愛知の喫茶チェーンの正体 パンやスイーツが無料で付く「カフェヨシノ」

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 10時0分

また、県外の人からすれば名古屋の喫茶店のモーニングは豪華なイメージがあると思うが、メディアで紹介されている多くの店は、ドリンク代に追加料金を払うモーニングセットであり、今はそれが主流になりつつある。時代と逆行しているかのように見える「カフェヨシノ」に興味が湧き、吉野貴士社長に話を聞いてみた。

カレーとアフタヌーンサービスで勝負

「創業者で私の父である吉野實朗は、1980年から和菓子の製造卸を営んでいたのですが、それと並行してある喫茶チェーンのフランチャイジーとして喫茶店をはじめました。愛知県稲沢市の国府宮店からはじまり、宝神店(名古屋市港区)、甚目寺店(甚目寺町)、荒尾店(東海市)と展開していきました」(吉野さん)

その喫茶チェーンは、サンドイッチやトーストなどパンメニューに力を入れていて、ランチはやっていなかった。そのためモーニングが終わる11時以降は客足がぱったりと途絶えてしまうのだった。先代はFCの本部にランチメニューの提供を進言するも、聞き入れてもらえず、FC契約を打ち切り、運営していた4店舗を「カフェヨシノ」としてリニューアルオープンさせたのだった。

そこで先代が試行錯誤を重ねて生み出したのが、今でもランチで人気の「ヨシノカレー」だった。喫茶店のカレーはレトルトや缶詰と相場は決まっているが、先代が作り上げたレシピを基に各店舗で6時間かけて仕込んでいるという。

「ランチタイムが終わるとまた客足が伸びないので、アフタヌーンサービスとしてドリンク代のみでシフォンケーキを付けました。このシフォンケーキは、先代の本業である和菓子製造卸部門で一から作り上げたもので、『ヨシノカレー』と同様に今でもウチの人気商品となっています」(吉野さん)

吉野さんが「カフェヨシノ」に入社したのは2014年。それまでは地元のテレビ局でディレクターとして情報番組を制作していた。マスコミに注目されるような人気店や食材の生産者もこれまで数多く取材していて、そこで培ったネットワークを新メニュー開発などで最大限に活用した。また、「カフェヨシノ」へ入ってからは7年間にわたって現場に身を置き、その視点から改善点を見いだしながらサービスやメニューを見直して、リブランディングに取り組んできた。

年末の上野・アメ横がリブランディングのヒント

その1つがビーフ100%の自家製パテを使った「ヨシノ・ザ・バーガー」である。名古屋市内の人気店を訪ねては食べ歩き、味を研究しながら試作と試食を繰り返した末にようやく完成させた吉野さんの自信作である。

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