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「朝昼夜0円サービス」愛知の喫茶チェーンの正体 パンやスイーツが無料で付く「カフェヨシノ」

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 10時0分

「私自身、ドリンク代のみのモーニングやアフタヌーンのサービスに対して、どちらかといえば否定的だったんです。専門店にも負けないようなレベルの商品を作れば、おのずと売り上げも伸びるだろうと」(吉野さん)

ハンバーガーの販売が始まると、瞬く間に人気となったものの、予想に反してハンバーガーだけを注文する客が増えた。ドリンクを付けると1000円を超えてしまうため二の足を踏んでしまうのだ。グルメバーガーの専門店であれば、ハンバーガーだけで1000円以上するものもあるが、喫茶店ではハードルが高かったのである。

「カフェヨシノ」のリブランディングという課題を残したままコロナ禍へ。外出自粛により経営に大きな打撃を受けた。

「年末にぼんやりとテレビを見ていると、買い物客でにぎわう東京・上野のアメ横から中継をしていました。年末恒例の1コマですよね。店の人はただでさえお値打ちなものをどんどん安くしていくと、飛ぶように売れるんです。あらためて安さの力というものを見直しましたね」(吉野さん)

吉野さんは2023年10月に社長となり、翌11月に「カフェヨシノ」の旗艦店となる中島店をオープンさせ、リブランドへの第一歩を踏み出した。

中島店の特徴は、冒頭で触れた全時間帯の「0円サービス」。さらに「コメダ珈琲店」をはじめとする東海発祥喫茶チェーン初となるドライブスルーの併設である。しかも、店内価格より130円安い350円でコーヒーを販売し、店内での飲食と同様に全時間帯で0円サービスを実施している。

ひと昔前、名古屋では多くの人々が朝、喫茶店でモーニングを食べて、昼食後も喫茶店でコーヒーを飲むことが習慣となっていた。しかし、コンビニでコーヒーが販売されるようになり、喫茶店は大きな打撃を受けた。

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とはいえ、コンビニで朝食を済ませようと、パンやサンドイッチなどとコーヒーを買うと、金額的に喫茶店のモーニングと変わらない場合もある。ドライブスルーの350円のコーヒーと「0円サービス」は、喫茶店にとって最大の競合になるコンビニを意識してのことだった。コンビニよりも美味しいコーヒーと、手作りにこだわったパンやスイーツは十分勝算があるように思える。

「おかげさまで朝の通勤時にドライブスルーを利用してくださるお客様が多いです。ランチとファイナルサービスは、今のところ中島店と山王店、小牧店、長久手店のみですが、順次全店へと展開してまいります」(吉野さん)

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