駅看板の文字「明朝体」「手書き寄り」が静かに流行 公共サインの「書体」も時代と共に変化している
東洋経済オンライン / 2024年8月22日 8時30分
海を越えた香港でもつい最近、街のサインにゴシック体ではなく明朝体に近い文字が実験的に導入されました。現地のデザイナーに意見を聞いてみたところ、比較的年齢層が高めな方にとっては古い印象に見えるけれど、若者たちからはこれが新鮮で好印象に映るという意見もあるようです。
明朝体に「逆戻り」したバーバリー
また、ラグジュアリーブランドのロゴに使用される書体でも同様のトレンドが見て取れます。2010年代、多くのラグジュアリーブランドのロゴにゴシック体(欧文ではサンセリフ体といいます)が採用されました。ところが、2020年前後から、明朝体(欧文ではセリフ体)に回帰した例が出てきました。
わかりやすいところでは、英国のBurberryがあります。同社は2018年、20年近く使用していたセリフ体のブランドロゴからサンセリフ体のロゴに変更しましたが、わずか5年後の2023年に再度ブランドロゴを変更。現在はセリフ体のロゴになっています。
公共サインで見る書体の変遷
とはいえ、公共サインの書体は基本的にゴシック体であることにかわりはありません。しかしそのゴシック体も時代とともに変化しています。
大きな流れとしては、親しみやすさや柔らかさを感じられる方向に向かっています。ここからは、写真とともに公共サインで使われてきた書体の変遷を見ていきましょう。
① ゴナ
まずは、1975年に株式会社写研から発売されたゴナという書体があります。中村征宏氏によって生み出されたこの文字は、公共サインや、ファッション誌、漫画などさまざまな場面で使われました。週刊少年ジャンプのドラゴンボールでも使用されていたため、見覚えのある方もいるかもしれません。
のびやかなデザインの中にやや硬質で構造的な印象を持っているのがこの書体の特徴です。
ゴナは現在も東京駅の新幹線のりばのサインで使用されています。
② ヒラギノ角ゴシック
次に、公共サインによく使われるものとして、1993年に登場したヒラギノ角ゴシックが挙げられます。ヒラギノ角ゴシックはApple社製品の標準フォントであり、Apple社のデバイスでこの記事を表示されている方は、今この瞬間にヒラギノ角ゴシックを目にしているということになります。
また、高速道路の標識にも使用されており、最近では、新宿駅の再開発に伴いリニューアルされたサインにも採用されました。
③ たづがね角ゴシック
そして最近、公共サインに採用され始めている書体のひとつが、2017年に筆者が所属するMonotypeが発売した「たづがね角ゴシック」です。渋谷区のサイン計画で導入されるなど、採用が広がっています。
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