動画プロモーションが下手な会社に欠けた視点 テレビディレクターが語る中小企業の優位性
東洋経済オンライン / 2024年8月22日 16時0分
各企業が動画関連のプロモーション活動に注力するようになっています。動画プロモーションが、商品販促やサービスの集客、優秀な人材、自社ブランディングなど、企業の経営活動をさまざまな面で後押しする強い力を発揮しているからです。特に、最近の傾向のひとつに大企業にも見劣りしない、目立った成果を出す中小企業が増えている点が挙げられます。
本記事では、『ズームイン!!朝!』や『ZIP!』、『ゆうどきネットワーク』『ビビット』など地上波テレビ番組を手掛けたテレビ映像ディレクターで書籍『動画プロモーション入門』の著者である小笠原剛氏が、中小企業にとっての動画プロモーションの優越性を、実際に成功している中小企業の事例を交えて解説します。
「動画の品質」よりも「視聴者の興味」が重要
中小企業にとって動画プロモーションは勝機ある施策です。下記の図を見てください。
【画像でわかる】動画プロモーションで実際に何をやればいいのか
2018年にGoogle社は3200人を対象に動画に関する調査を行ないました。その結果によれば、視聴ユーザーは「動画内容の品質」そのものよりも自分の興味・関心を1.6倍重視することがわかりました。同様に、著名人が出演しているかどうかよりも自分の興味・関心を3倍重視する傾向があることも明らかになりました。
このことから、有名タレントを起用したり、お金をかけた映像でなくても、視聴者が興味あるコンテンツをどのように取り上げるかが重要であることが読み取れます。逆にいえば、中小企業でも視聴者層を明確に設定して、そのターゲットが興味を持つ内容をうまく自社商品やサービスと関連づけて訴求することができれば、動画プロモーションを成功させることができるということです。
さらに、現在は動画制作の環境は大きく変わりました。もちろん、プロの映像制作会社に動画制作を依頼すれば、100万円以上かかることは変わりありません。しかし、自社で低コストかつ高クオリティのコンテンツを簡単に実現できるようになっており、特に撮影カメラや編集作業は最低限の費用で済みます。
例えば、撮影カメラはスマホ1台あれば十分です。スマホのビデオ録画機能は日を追うごとに向上しており、最近では映画やミュージックビデオをスマホで撮影した作品がリリースされているほどです。
もし所有しているスマホの型式が古かったとしても動画が撮れればOKです。なぜなら効果的なBGMや字幕、画面の拡大や切り替えなど高度な編集作業が簡単にできるからです。また、その編集作業も「Filmora(フィモーラ)」という編集ソフトを使えば、予算1万円以内で始めることができます。スマートフォンは、ほとんどの社会人が持っているでしょうから、初期費用の1万円を除けば、継続的に動画を制作するコストは0円に抑えることだってできるでしょう。
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