「"腹落ち"させる力」が日本人リーダーは弱すぎだ 「トップの言葉」現場で働く人に響いてますか?
東洋経済オンライン / 2024年8月23日 14時0分
たとえば、日本電産(現ニデック)をゼロから立ち上げて売上高2兆円企業にした永守重信氏もまさにそんな一人だ。
私は何度かお話をうかがっているが、同氏はお会いすると、いつも30年先の未来を語る。
「自分は仲間に夢だけは見させられる」と豪語されていたのを今でも覚えている。だからこそ、あそこまでの会社になったのだろう。
日本の場合、高度成長期からバブル期にかけて、「センスメイキング」なしでもやっていける特殊な時代があった。安定した右肩上がりの流れに乗って、現場が強かったので、なんとなく利益を出すことが可能だったのである。
しかし、バブルが崩壊し、流動性の高い不安定な時代がやってくると、多くの企業が苦境に陥った。センスメイキングが足りないことが露呈したのだ。
では、センスメイキングのために、企業やリーダーたちは具体的に何をすべきなのだろうか?
以下では、日本中の様々な企業をみてきた筆者の経験から、3つのポイントを提示したい。
【1】経営者自身が腹落ちする「パーパス」「ビジョン」「夢」を語る
まず何よりも経営者自身が腹落ちする「パーパス、ビジョン、夢を語る」ことだ。
重要なのは、何より自分がそのパーパスに腹落ちしていること。そして、何度も繰り返し語ることだ。
人は、一度や二度言われたぐらいで腹落ちしない。何度もしつこいくらい語ることで、少しずつ組織に納得感が醸成されるものだ。
「トップの言葉」を「現場の言葉」に置き換える
【2】経営幹部や中間層がよく理解し、部下に伝えていく
経営幹部や中間層がそれをよく理解して、部下に伝えていくことも不可欠だ。
経営トップは一人しかいないため、語ることに限界がある。また、トップの言うことは往々にして抽象的で、現場で泥臭い業務をしている従業員に響きにくい。
だからこそ、トップの言葉を現場の言葉に置き換えて腹落ちさせるのが、経営幹部や中間層の本来の仕事なのである。
【3】パーパスやビジョンをきちんと言語化し、様々な形で見せていく
もうひとつ、パーパスやビジョンをきちんと言語化し、それを様々な形で残し、社員や周囲のステークホルダーに見せていくことだ。
それは文章である必要もなく、自分の作りたい未来を描いた動画や絵を作ってもいい。
さて、もうお気づきの方もいるかもしれないが、これらのポイントは、世界で成功してきた宗教が行ってきたことと驚くほど類似するのだ。
まず、【1】のトップが語ることの重要性は、いうまでもないだろう。
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