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子どもを「外で遊ばせるだけ」で近視は防げる  忙しい親でもできる「子どもの目の守り方」

東洋経済オンライン / 2024年8月23日 15時0分

窪田:一般的な傾向として、アジア人には近視が多く、台湾でも多くの子どもたちが近視を抱えています。台湾は国としてこの現状を深刻に受け止め、国策として2010年から「子どもの屋外活動を1日2時間確保しなければならない」という制度を導入しました。机に向かって勉強することも大事ですが、それ以上に将来の国民の健康を重視したわけですね。

実際に、休み時間は教室の電気を消して外遊びを促したり、美術などの一部の授業を屋外で実施したりすることで、小学生に1日2時間屋外で過ごさせることを達成しているということです。

高濱:国を挙げて学校まで巻き込んで実施しているところに本気度を感じますね。日本の学校でのカリキュラムの中で外遊びの時間をそこまで確保するのは難しいかもしれません。

外遊びを推奨している私たちの学習塾では、夏休みなど、学校が長期休みになる時期に、泊りがけで行ける野外体験プログラムを提供していますが、毎年大人気です。

窪田:それは素晴らしい取り組みですね。学校が休みの期間にも、そうやって外遊びを確保するのは理想的です。

実は外遊びが大事というのには、2つのメリットがあります。1つはここまでお話ししてきた「遠くを見ること」、もう1つは「太陽光を直接浴びること」です。この2つは同じくらい重要です。太陽光をただ浴びればいいわけではなく、窓ガラスなどを隔てずに直接浴びる必要があります。

高濱:おもしろいですね。窓ガラスを通してしまうとダメなんですね。

子どもを屋外に放つことで目覚める力

窪田:光を直接浴びるというと、晴れた日の直射日光を想像するかもしれませんが、1000ルクス程度の明るさが確保できればよいので、曇りの日や木陰でもその明るさは十分得られます。

高濱:木陰でもいいというのは、暑い日が続く夏には朗報ですね。ちなみに、ベランダで太陽光を浴びるのはどうなのでしょうか。

窪田:これは光の波長の問題で、太陽光がガラスなどのフィルターを通してしまうと、波長が変化してしまい近視抑制の効果が失われます。ベランダなら大丈夫です。

目にある程度の強さの太陽光を当てると、網膜内のドーパミンが増えることが確認されています。これが近視抑制につながっていると考えられています。

高濱先生は、経営されている学習塾で無人島を買い取り、そこでも子ども向け体験プログラムを実施されていると聞きました。眼科医的な視点で見ると、長時間屋外で活動し続けることができて理想的な環境に思えます。実際に参加している子どもたちの様子はいかがですか。

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