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スペースXが狙う「100万人火星移住」実現可能か? 成功のカギを握る"3つのもの"とは?

東洋経済オンライン / 2024年8月24日 8時0分

ある「3つのもの」が現地で確保できれば、月・火星移住は実現できる?(写真:Maximusnd/PIXTA)

「小惑星探査」や「火星移住」などのニュースから、UFO、宇宙人の話題まで、私たちの好奇心を刺激する「宇宙」。だが、興味はあるものの「学ぶハードルが高い」と思う人も少なくない。

知らなくても困らない知識ではあるが、「ブラックホールの正体は何なのか」「宇宙人は存在するのか」など、現代科学でも未解決の「不思議」や「謎」は多く、知れば知るほど知的好奇心が膨らむ世界でもある。また、知見を得ることで視野が広がり、ものの見方が大きく変わることも大きな魅力だろう。

そんな宇宙の知識を誰でもわかるように「基本」を押さえながら、会話形式でやさしく解説したのが、井筒智彦氏の著書『東大宇宙博士が教える やわらか宇宙講座』だ。

その井筒氏が「スペースXが狙う『100万人火星移住』の実現可能性」について解説する。

なぜ移住候補は「月」「火星」なのか?

以前の記事「【衝撃事実】「巨大隕石の地球衝突」は必ず起こる」において、「巨大隕石の衝突を回避できないときは、月や火星に移住するしかない」という話をさせていただきました。

【ひと目でわかる】スペースXが狙う「100万人火星移住」実現可能性

「月や火星への移住なんて、本当にそんなこと可能なの?」と思った人も多いでしょう。

それと同時に、「どうして月と火星だけが移住候補先なの?」という疑問もわいてきたのではないでしょうか。

今回は「人類の月・火星移住の可能性」について考えていきたいと思います。

結論からいうと、地球以外の天体への移住のカギは、「いかに必要な物資を現地調達できるか」です。この見通しが立てば、月や火星への移住は実現するでしょう。

月は地球から最も近い天体ですので、選ばれる理由は明白です。しかし惑星は火星以外にもあります。他の惑星ではダメなのでしょうか……。

地球から近い惑星に、金星もあります。では、なぜ金星は「移住候補地」からはずれてしまったのでしょうか。

じつは、金星は気圧が地球の90倍で、表面温度が470度もあります。

これは、水深900メートルに相当する圧力で、オーブンよりも高温の世界です。人間が降り立てば、たちまち肺がつぶれて丸焦げになってしまうでしょう。

金星は、人間が足を踏み入れられるような場所ではないのです。

月と火星の「人類には過酷すぎる環境」

では、月や火星は、いったいどんな環境なのでしょうか?

特徴をあげてみましょう。

【月の特徴】
・重力が弱い(地球の約6分の1)
・暑(熱)すぎたり、寒すぎたりする(マイナス170℃〜プラス120℃)
・空気がない
    
【火星の特徴】
・重力が弱い(地球の約3分の1)
・寒すぎる(マイナス150℃〜プラス20℃)
・空気が薄い(気圧は地球の1%未満。成分はほぼ二酸化炭素)

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