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スペースXが狙う「100万人火星移住」実現可能か? 成功のカギを握る"3つのもの"とは?

東洋経済オンライン / 2024年8月24日 8時0分

月は空気も水も食料もない過酷な環境なので、ウサギどころか、無防備な生命は生きることはできません。

一方、火星の大気はほぼ二酸化炭素で、気圧は地球の1%未満。

月や火星は、地球と比較するといいところがなく、住みにくそうですよね。金星と比べるとマシではあるものの、そう簡単に暮らせるような環境ではないのです。

空気がない、薄いことは、呼吸ができないだけではありません。空気は、紫外線や宇宙放射線から地表の生き物を守る「バリア」の役割を担っています。

「バリア機能」が働かないと、強烈な宇宙放射線や紫外線が地表にじゃんじゃん降り注いでしまうのです。

いい点があるとしたら、重力(物をひっぱる力)が地球より弱いところでしょうか。月面で物を落とすと、地球上よりもゆっくり落ちていきます。

ジャンプ力が、月だと6倍、火星だと3倍になるので、一般人でもバスケでダンクシュートができるようになるかもしれません。フィギュアスケートの選手なら、審査員が困るくらいの回転数のジャンプになるでしょう。

重力が弱いことによる実用的な利点は、月や火星からのほうがロケットを打ち上げやすいということです。

ロケットの重さのほとんどは重力を振り切るための推進剤(燃料と酸化剤)が占めているため、地球から打ち上げるよりも推進剤を大きく節約できるのです。

現在、宇宙開発の大きな柱として、「アポロ計画」以来の有人月面着陸を目指す「アルテミス計画」が進められています。

アポロ計画では、6回のミッションで合計12人が月面に降り立っています。

しかし、どのミッションも月に滞在したのはわずか数日間でした。数日では、「住んだ」とは言えないですよね。

そこで、NASAが提案する月面探査プログラム「アルテミス計画」において、月面に基地をつくり、人が持続的に活動する試みが始まりました。

現在活発になっている月探査の先には、史上初となる「人類による火星への着陸」という大きな目標があります。いわば、火星が「本番」で、月はそのための「練習台」とも言えます。

技術をレベルアップさせて、地球から最も近い天体である月で自由自在に何でもできるようにする。月探査で得られる新たな技術と知見をひっさげて、火星を目指すという作戦です。

月・火星移住に欠かせない「3つのもの」とは?

移住を現実的に考えるには、まず、月と火星がどんな環境なのかを知り、移住するために必要な条件を知る必要があります。

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