1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

紫式部は見た!若宮誕生祝いの"公卿たちの醜態" 酔いつぶれて見るに堪えない行為をする者も…

東洋経済オンライン / 2024年8月24日 10時0分

自信満々、生気に満ちあふれた歌ですね。紫式部は道長の歌を聞いて「本当にしみじみと頷けるお歌だ。殿は若君誕生をずっと願っていたのだから。殿がこのように盛り立てるので、儀式や御祝いの品といったすべてのものの輝きが増すのだ。私のような分際の者まで、千代どころではない若宮様の将来が次々に思い浮かべられた」との感想を書き残しています。

道長はご機嫌で「中宮様、お聞きですか。うまく詠めましたぞ。中宮の父として私はなかなかのものだ。私の娘として、中宮様も素晴らしい。妻も、よい夫を持ったと思っているだろう」と饒舌に語ります。

紫式部は道長のおしゃべりを少し不安に感じました。中宮は、道長の酔いに任せた言葉を機嫌よく聞いておられましたが、道長の妻(源倫子)は、部屋に引き上げてしまったのです。道長の放言を聞くに耐えないと思ったようですね。

道長も妻には頭が上がらなかった

道長は妻の不快感に気付いたようで「部屋まで送らないと、母上が機嫌を悪くされるからな。中宮よ、(席を離れるのは)失礼だと思われるでしょうが、親あればこそ子も尊ばれるのですぞ」と言うと、慌てて、妻の後を追うのでした。

女房たちは笑いながら、殿をお見送りしたそうです。栄華を極めつつある道長も、妻には頭が上がらなかったと思われます。

(主要参考・引用文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・朧谷寿『藤原道長』(ミネルヴァ書房、2007)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎:歴史学者、作家、評論家

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください