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「大量のゴキブリが飛ぶ家」子3人と暮らす母の病 生ゴミの上で眠る子どもたちを思い、片付けを決意

東洋経済オンライン / 2024年8月24日 10時0分

ゴミ捨ても日中ではなくあえて夜中に行くようになった。すると、次第に生活のリズムが崩れ始め、さらにメンタルが病んでいった。そんなとき、マンションのゴミ捨て場で、こんな光景を目にした。

「自分が捨てたゴミではないんですが、他のおうちのゴミを漁っている住人がいたんです。いえ、“漁っている”と言ったら悪いかもしれません。捨ててはいけないものが入っていたのかもしれません。

とにかくそれを目撃して以来、自分がちゃんとゴミの分別ができているのかどんどん不安になっていきました。身内の不幸が続いて気分的に落ちていたときだったので、なおさら人に会うのも怖いし、ゴミをチェックされたらどうしようと考えてしまい、なかなかゴミを捨てられなくなってしまいました」

イーブイがこの現場を訪れたのは今年の夏が始まろうとしているときだった。家中を埋め尽くしている生ゴミのことを考えれば、暑くなる前に片付けたい。しかし、イーブイに依頼をすることもためらってしまった。

そもそも他人と会うこと自体が怖い心理状態である。動画で見たことのある顔とはいえ、他人を自分の家に入れるという行為に大きな抵抗を感じざるをえなかった。

心の問題が深刻な「生ゴミだらけ」のゴミ屋敷

見積もりのとき、母親の手は震えていたという。

「見積もりのときお母さんは泣かれていて。安心したんですかね。やっぱり悩んでいることを人に打ち明けるっていうだけで胸のつかえが取れてスッキリするじゃないですか。そういう姿を見ると何とかして助けたいという気持ちはありますよね」(信定さん)

「ゴミ屋敷」には大きく分けて2つの種類がある。

ひとつは服、雑貨、本などを溜め込みすぎてしまい不要品だらけになった「モノ屋敷」。この場合、片付けの際に「いる・いらない」を仕分けする必要がある。

もうひとつは今回のように生ゴミが大半を占める現場だ。後者は「ほとんどが住人のメンタルの不調に起因している」と文直氏は言う。

「前者と後者では、心に抱えている問題が違ってきます。より深刻なのは後者の生ゴミだらけのゴミ屋敷です。モノ屋敷のようにコツコツ片付けて解決するようなことではありません。片付け方とか、整理収納の仕方とか、掃除の仕方とか、ゴミ出しの仕方とか、そんなことじゃない。

“どうしてこうなった?”と原因を追求する前に、まずは家の中をゼロに戻して一気に気持ちを切り替えるしかありません。話はそこからだと思っています」

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