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事故多発「パーソナルトレーニング」見極めのコツ 61件が「治療に1カ月以上要した」、骨折事案も

東洋経済オンライン / 2024年8月25日 9時0分

今人気の「パーソナルトレーニング」だが、事故が増えているという(写真:foly/PIXATA)

健康志向が高まる中、マンツーマンで筋力トレーニングや食事指導などを受けられる「パーソナルトレーニング」が注目されている。

【グラフ】パーソナルトレーニング、事故が多い年代は?

しかし、その指導の質はさまざまなようだ。今年4月に公表された消費者庁の消費者安全調査委員会の調査(経過報告)によると、2023年までの6年間でパーソナルトレーニング関連の事故が209件発生しており、増加傾向にある。そのうち治療に1カ月以上を要した事案は61件、中には膝の靭帯を損傷した人や、背骨や腰椎を骨折した人もいた。

同委員会はこうした健康被害の要因を明らかにして再発防止の検討を進めるというが、私たちは現状、安心安全かつ成果を得られるパーソナルジムやパーソナルトレーナーを、どのように選べばよいのだろうか。

「40代・50代・30代」の順に被害が多い

トレーニングに多くの知見を持つ日本体育大学教授の岡田隆氏は、事故が多発する背景について、次のように説明する。

「2010年代初頭からライザップのテレビCMが大々的に放映され、パーソナルトレーニングが一般的に認知されるようになりました。さらにその後、コロナ禍で感染対策の観点から集団指導を敬遠し、1対1の指導を選ぶ人が増加。パーソナルジムは大型ジムと比べ初期投資が圧倒的に少なくて済み、数百万円で開業できてしまうので、ビジネス面から見ても乱立しやすい。事故の発生率自体が上がっているかはわかりませんが、パーソナルトレーニングの場が増加したことで、事故の実数が増えているのは確かだと思います」

消費者庁の調査では、事故の被害者は9割が女性、年代別では40代・50代・30代の順に被害が多いという結果が出ている。この層の被害が増えているのはなぜか。

「問題が起こりやすい年代であることは間違いありません。とくに40代以降は、関節の可動域、腱や靭帯といった組織の柔軟性が落ちてきますから、ケガをしやすい。しかも、40代はまだ自分にお金をかけて美しくいたいという思いも混在していて、必ずしも健康のためだけにトレーニングを行うわけではありません。そうすると、無理な運動が入ってきて事故につながる可能性もあるわけです」

ただ、トレーニングを始める際の前提条件として、「運動する以上はケガをゼロにすることはできないということを、忘れてはならない」と岡田氏は指摘する。だからこそ、準備が大事だという。

「ケガをしやすい年代であれば、より入念な準備が必要。しっかりと食事、睡眠、事前のウォーミングアップをすることは最善の防衛策だと思います。しかし、そもそも利用者側のコンディションを踏まえ適切に指導してもらえるのが、パーソナルトレーニングのよさ。当然、トレーナーの選定も重要になってきます」

「トレーニングプラン作成」はわずか3割

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