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博報堂×三菱「NOYAMA」はアウトドア新風なるか 単なるレンタルでない次世代プラットフォーム

東洋経済オンライン / 2024年8月26日 10時0分

さらに、「NOYAMAはオープンプラットフォーム」である点を強調した。

つまり、広義におけるアウトドアに関連する異業種を含めた、多様な企業・団体・自治体などとコラボレーションやタイアップしていくわけだ。その中では、自動車メーカー各社との連携も模索する。

現行のルノー・日産・三菱アライアンスや、先に公表されたホンダ・日産・三菱による技術関連連携の枠組みには「とらわれない」という。

このように、データ連携と事業連携の両面において、NOYAMAがプラットフォームとして機能することが、NOYAMAの事業戦略の根幹だと言える。では、事業性についてはどうだろうか。

NOYAMA単体事業としてのKPI(成果の指標)については、外向けには非公開。ただし、三菱社内では当然、ロードマップに沿った数値目標を持っているという。

初年度事業の収益については、「冒険の学校」では年間費やイベント参加費などを見込むほか、SNSのみならず、アウトドア情報を発信する自社メディアとして育てることで、関連する収益も考慮できる。今後は、メタバースなどDX関連の技術を盛り込むことも検討する可能性があるようだ。

e-Outdoorでは、キャンプ市場を調査した結果、昨今のアウトドアブームでアウトドアギアをすでに購入した層は広がっている反面、「所有よりレンタル」を希望する需要が継続して増えていることや、「ちょっと違うギアを試してみたい」という声も少なくないことがわかったという。実際にハイシーズンでは、アウトドアギアのレンタルも好調のようだ。

しかも、レンタカーとレンタルギアの一括サービスの事例はまだめずらしく、NOYAMAとして事業の拡大に期待を寄せている。

また、「プラグインハイブリッド車をじっくり試してみたい」という声も市場にはあるため、新車販売会社と連携して、e-Outdoorを試乗プランの一環としてユーザーに提案することも考えられる。販売会社によってレンタカーサービスの有無はあっても、結果的に新車や中古車の販売につながる効果も期待できる。

レンタル車両については、給電機能のあるプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」「エクリプス クロスPHEV」に限らず、デリカD:5や「トライトン」も含めて、市場の要望に応じた展開もありうるだろう。

大きな変化を迎えている社会の中で

また、「冒険の学校」についても当然、NOYAMAと新車販売会社が連携を深めていく。三菱本社、または全国の新車販売会社が主催するユーザー参加型の人気行事「スターキャンプ」についても、これまで通りの運営を維持しNOYAMAがサイドサポートする形となるという。

ここまで見てきたように、NOYAMAは三菱が持つハードウェアとソフトウェアのアセットを最大限に活用し、さらに新しい仲間と新技術を併せ持つ、これまで誰も手をつけなかった次世代アウトドア事業への挑戦だと言える。

久保田氏は、インタビューの中で何度か「生きる力」「生き抜く力」という表現を使っていた。いま大きな変化を試みようとしている日本の社会、そして自動車産業界において、こうした言葉は「実にしっくりして、腑に落ちる」ものだ。

桃田 健史:ジャーナリスト

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