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開業1周年「宇都宮ライトレール」の未来と課題 利用者多く延伸にらむが、足りないインフラも

東洋経済オンライン / 2024年8月26日 7時30分

さらに、宇都宮芳賀ライトレール線の駅西側への延伸については、宇都宮駅東口から教育会館付近までの区間を整備区間とし、2030年代前半の開業を目指して、各種検討を進めている。

今後の展開などについて、同じく軌道整備事業者である宇都宮市LRT整備課協働広報室の担当者にも話を聞いた。

――宇都宮駅から西側の整備について、工事着手までの今後の見通しは。

「2025年度の軌道事業の特許申請、2030年代前半の開業を目指し、現在、大通りの道路空間再編などについて検討し、道路管理者などの関係機関との綿密な協議・調整や、まちづくり関係団体との丁寧な意見交換を実施しているところです。引き続き、早期に駅西側の整備に着手できるよう、取り組んでいきます」

――清原地区市民センター前での乗り換え(フィーダーバス)の整備など、今後の展開など、どのように考えているか。

「宇都宮芳賀ライトレール線の開業と合わせて、宇都宮芳賀ライトレール線と重複するバス路線の車両や運転手などを最大限活用し、バス事業者と協議・調整を行いながら、清原地区市民センター前のトランジットセンターを起点とする、フィーダーバス路線として、工業団地内を循環する清原工業団地内循環線や、清原台とゆいの杜方面を一体的に循環する清原台・ゆいの杜循環線のほか、芳賀町内や赤羽工業団地を経由し、市塙駅までを結ぶ市塙・赤羽工業団地線を新設したところです。引き続き、利用状況の調査・検証を進めるほか、7月から宇都宮芳賀ライトレール線とバスの連絡定期券の購入支援を開始するなど、より多くの方に利用していただけるよう、利用促進にも取り組んでいきます」

沿線にトイレが足りない

宇都宮芳賀ライトレール線の施設面について、少し気になる点がある。それは、停留場のトイレ問題だ。全線の所要時間が40分ほどだが、停留場のトイレというと宇都宮駅東口と清原地区市民センター前の2カ所しかなかったが、7月29日に平石と飛山城跡にも、多目的トイレの設置を完了した。今後はほかの停留場でも、トイレの新設を進めてほしいと思う。これは女性のみならず万人の利用者に対して、より優しい取り組みとなるはずだ。

宇都宮駅西側の整備も進めていくうえで、バス路線の再編や新たなトランジットセンターの新設など、これから先も交通の利便性が確保された街として、今後も宇都宮芳賀ライトレール線を通じて、宇都宮市・芳賀町のさらなる発展を、心から応援したい。

渡部 史絵:鉄道ジャーナリスト

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