ホンダ「ZR-V」隠れた人気SUVの発売1年通信簿 爆発的ではないが着実に売れ続ける理由とは
東洋経済オンライン / 2024年8月27日 9時30分
走行中の乗り心地は、欧州車のようなしっかりとした手ごたえがありながら、路面の変化を適切に吸収し、体に衝撃を伝えない。爽快かつ快適な走りという開発目標が的確に結実されている。ヴェゼルよりあとからの市場導入により、熟成度を増す時間の余裕が、上級車種らしい味わいをもたらしているのではないか。
昨年4月に発売されてからのZR-Vの販売動向は、爆発的というわけにはいかなかったようだ。それでも10月には乗用車販売の19位に上昇し、11~12月は20位ということで、徐々に台数を伸ばしながら堅調な様子だ。当初の販売動向については、当時の半導体など部品供給の問題もあったかもしれない。昨年の1~3月はまだ登場前であったが、2023年1~12月の年間統計で31位、2万1168台という販売実績であった。
年が明け、今年の1~6月には18位となって、この半年の販売台数は2万3333台となり、すでに昨年1年間(実質8カ月)の台数を上まわっている。
ZR-Vの競合となるSUVは、トヨタの「ハリアー」や「RAV4」、マツダの「CX-5」あたりになるのではないか。
それらと比較してみると、さすがにハリアーは強く、今年1~6月の台数は3万5294台で10位にいる。一方、RAV4は1万6232台で24位、マツダCX-5は8746台で34位である。ただし、RAV4とCX-5は、モデルチェンジから6~7年を経ており、新鮮味という点で、新車購入における動機づけで不利な面があると考えられる。
では、このZR-Vの現況を、どう考えるか。
ヴェゼルに次ぐ、ホンダ2番手のSUVに成長
ホンダのSUVでは、ヴェゼルの人気が高い水準で維持されており、今年1~6月の販売ではホンダ車で最上位の5位につけ、4万4164台を売った。同期間の1位はトヨタの「カローラ」で、これには「カローラクロス」と「カローラフィールダー」も含まれるはずで、その内訳は手もとにないが、SUVのみの販売台数で5位というヴェゼルの順位は、健闘しているといえるのではないか。
そうしたSUV人気が続くなか、ハリアーは別格としても、ベスト20以内に入っているZR-Vは、堅調といってよい気がする。
また、ZR-Vのあとから登場したホンダWR-Vが、7月単月でZR-Vの18位に次いで22位につけ、RAV4に迫る台数となっている。そうした様子からしても、ホンダの各SUVが、車格に応じて着実に消費者をつかんでいるといえそうだ。
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