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東海道新幹線ホーム「黄色い無人店舗」売れるのか カメラで購入商品を判別、出店場所にある狙い

東洋経済オンライン / 2024年8月27日 7時30分

商品アイテム数を売れ筋に絞ったほか、音声案内や多言語表示対応、使いやすいレジも利用しやすい一因だという。お盆の時期の販売状況については「数字で開示できるものはない」とのことだったが、「非常に多くのお客様にご利用いただいた」という。

「ホーム上」での展開に意味

この無人店舗販売システムを展開するのはJR東日本グループのタッチ・トゥ・ゴー(TTG)である。技術開発を手掛けたシステム開発コンサルのサインポストとJR東日本が合弁で2019年に同社を設立し、2020年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅の駅ナカコンビニでこの無人決済システムが採用された。

JR東日本のコンビニ「NewDays(ニューデイズ)」に先んじてファミリーマートがこの技術にいち早く関心を寄せた。2020年11月にファミマとTTGが業務提携を行い、翌2021年3月に都内で第1号店を出店した。また、同年8月には西武鉄道とファミマが共同で展開する西武線の駅ナカコンビニ「トモニー」にも無人決済システムを導入した。

TTGの無人決済システムはコンビニ業界以外からも広く注目を集め、ANAグループのANA FESTA(エーエヌエーフェスタ)が羽田空港や中部国際空港で展開する空港ギフトショップや、化粧品会社のオルビスの直営無人販売店舗などにも採用されている。金融機関店舗での導入としては初の事例として、城北信用金庫の王子北本通り出張所にも導入されたし、出遅れていたニューデイズでも2024年6月、このシステムを初めて導入した店舗が飯田橋東口にオープンした。

JR東海との関係では2023年6月、焼津駅にTTGのシステムを採用したファミマがオープンしている。今回は在来線ではなく東海道新幹線のホーム上である。JR東海との連携にどのような意味があるのか。TTGの阿久津智紀社長にこんな質問を投げかけると「それはちょっと……」と苦笑いした。JR東日本とJR東海の関係に関する質問は現場でビジネスをする人たちには的外れだったようだ。

阿久津社長によれば、今回の取り組みの意義は、ホーム上での展開という点にある。これまでは店舗内にカメラが設置されていたが、今回はホーム上といういわば「屋外」である。東海道新幹線のホームという人の往来が激しい場所でカメラが購入する人の動きを捕捉するのはシステムにとっても難易度が高い。

しかも屋外に設置していることで、雨や風の影響も受けやすい。今回はホームに屋根があるが、ここで得られた知見は将来、完全な屋外での無人販売に活用される可能性もある。

車内での商品販売にも生かせる?

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