1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

じわじわ話題「異色グルメドラマ」が心揺さぶる訳 仲村トオル主演の「飯を喰らひて華と告ぐ」

東洋経済オンライン / 2024年8月27日 15時0分

『飯を喰らひて華と告ぐ』(写真:ドラマ公式Xより引用)

夏ドラマが終盤に差し掛かっている。今期は飛び抜けた注目作がなく、オリンピックに話題を奪われてきたなか(過去記事:話題作なく総崩れ?「夏ドラマ」評価分かれる背景)、SNSなどの口コミでじわじわと関心を集めているドラマがある。

【写真】仲村トオルのクセ強店主に引き込まれる。「飯を喰らひて華と告ぐ」の場面シーン

すでに飽和気味のグルメドラマのなかで、これまでとは異なる新しい“味”を出している『飯を喰らひて華と告ぐ』(TOKYO MX)だ。

ドラマのアウトラインを見ると『深夜食堂』シリーズの世界観に近いのかと思いきや、ストーリーも登場人物のキャラクター性もまったく異なる。

また、グルメドラマの頂点に君臨する『孤独のグルメ』シリーズとは、料理シーンを除くと対極に位置するようなエンターテインメント性の高さが特徴になっている。

『飯を喰らひて華と告ぐ』は、味が濃すぎる昭和的なクセ強キャラの店主(仲村トオル)が、悩める市井の人々の心を救う、喜劇と悲劇のヒューマンドラマの要素を混ぜ合わせて凝縮させた“飯ドラマ”になっているのだ。

都会人の悩みを見抜く料理人

物語の舞台は、東京の街外れの路地裏にひっそりとたたずむ、どこにでもある中華料理店のような店構えの料理屋「一香軒」。強面のすご腕料理人の店主が、客が食べたいものを何でも提供するこの店には、大都会・東京に生きるさまざまな人が訪れる。

店主は路地裏に迷い込んだ人に声をかけて店内に誘うと、その慧眼で彼らの悩みを見抜き、それぞれの客のための料理を出す。

客は、古ぼけた店の頑固そうな店主が作る、素朴な料理の研ぎ澄まされた味に驚く。そして、親身に話しかけてくる店主の言葉に耳を傾けるうちに、心を揺さぶられる。

ドラマのメインになるのは、客が料理を食べながら聞く店主の語りだ。客それぞれが抱える悩みや葛藤を、もっともらしく聞こえる格言のようなことわざのような言葉で例え、彼らの気持ちに寄り添いながら、元気づけていく。

店主は客のことを思う気持ちが強いがゆえに、話が止まらなくなる。そして強烈なスパイスを入れて元の味がわからなくなるかのように、客の本来の悩みを勝手に勘違いし、見当違いなアドバイスをしてしまう。客が勘違いを正そうとしても、自分流に解釈して受け入れてしまう。

しかし、店主と話をしていると、日々の生活に疲弊して閉ざされかけていた客の心がこじ開けられ、前を向かせることにつながる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください