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過去の「ジェットコースター相場」意外な"その後" 戦後の相場データを基に推移を調査した結果

東洋経済オンライン / 2024年8月28日 7時0分

8月6日の電子証券ボード(© 2024 Bloomberg Finance LP)

7月半ばからの株式市場は急落や急騰を繰り返したことから「ジェットコースター相場」とも呼ばれています。海外の投機的な投資家が株価の急変動を主導したと見られますが、個人投資家のなかには冷静に対応した方も少なくなかったようです。

【画像でわかる】ジェットコースター相場のその後

とはいえ、今後も株価が大きく変動して不透明な相場が続くなら「株式投資はよくわからない」と思ってしまう方も少なくないかもしれません。そこで過去を振り返って、今回と同じように株価変動が大きかった後の相場がどのように推移してきたかを調べてみました。

ジェットコースター相場を振り返る

まずは、今回のジェットコースター相場について振り返ってみましょう。


下図は日経平均株価と円ドルレートの為替の動きを並べたものです。円ドルレート(青線)は上昇すると円安、下落が円高を表していますが、日経平均株価(赤線)もこれに連動していることがわかります。つまり「円安で株価は上昇、円高で株価は下落」の関係です。

なぜ、このような関係があるのでしょうか。日本で輸入品を買う際、円安だと、その安くなった分の「円」が余計に必要になります。必要な「円」が増えることは、輸入品の値段が上がることです。近年のわが国の物価高には、このような円安が背景にあります。

ところが輸出をメインとする自動車や電気機器などの企業にとって円安はプラスに働きます。円安により円ベースでのモノの値段が上がるということは、裏を返せばドルベースではモノの値段が下がることになるからです。

輸出企業は自社製品(モノ)をドルベースで海外に安く売れるため、より多くの製品が売れるようになります。あくまでもドルベースでの値下げによるものですので、円ベースでの値下げになりません。ですから、単純により売れた分、売り上げの金額が増大します。専門的にはこれを「円安による価格競争力が上昇した」と言います。

日本企業全体で見ると、業績面で輸出企業の影響が大きいわけですから、円安場面では、円安メリットを受ける輸出企業が株式市場を牽引して上昇する傾向があるのです。反対の円高場面では株式市場は下落します。

今回のジェットコースター相場の起点は7月12日です。同日の日本株の下げはアメリカで物価高への懸念が後退するなか、景気への配慮から金利引き下げへの見通しが強まり、円高となったためです。

金利が下がるとその国の通貨は安くなります。人々は金利が高くて、たくさんの利息がもらえる国にお金を預けたいと考えるのが自然だからです。お金の流れは「金利が低い国(あるいは下がる国)→金利が高い国(あるいは上がる国)」へと向かうため、金利が下がる国の通貨が売られて(通貨安)、金利が上がる国の通貨が買われます(通貨高)。これが7月12日のアメリカの利下げ観測でドル安・円高となった理由です。

株安となった大きな要因

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