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過去の「ジェットコースター相場」意外な"その後" 戦後の相場データを基に推移を調査した結果

東洋経済オンライン / 2024年8月28日 7時0分

日本国内に関して見ると、日本銀行が7月31日に利上げを実施しました。さらに植田和男日銀総裁は今後数回の利上げに前向きな姿勢をにじませたことから、年内の追加利上げの見方が強まりました。これも円高理由です。

こうした、アメリカの金利低下と日本の金利上昇観測により引き起こされた円高が8月5日までの株安の大きな要因となっています。その後、日銀の内田眞一副総裁が8月7日の講演で「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」と発言したことから安心感が高まり、円安・株高となり相場も反騰しました。

もちろん、9月27日の自民党総裁選、11月5日のアメリカ大統領選といった政治面での不透明感も株価の大きな変動に寄与しています。ただ、上図から足元までの相場の根底には金利見通しを背景とした円ドルレートがあることが確認できます。

このような相場環境のなかで、8月5日に日経平均株価が4451円下げ、下落率にして12.3%と史上第2位の下げを記録したことが、大きな話題となりました。また、翌日(6日)は、そのリバウンドで過去第4位となる10.2%上昇しました。

そこで過去、このように株価が大きく下落や上昇した後に相場がどのように推移したかを調べてみました。

第2次世界大戦後、東証が再開したのは、1949年5月16日です。直近の8月21日まで通算すると1万9656日の立会日を経験しましたが、日経平均株価の1日の騰落率が10%を上回ったのは、今回を除くと、下落と上昇、それぞれで3回ずつでした。そこで、当時を振り返って、その後の日経平均株価の騰落率をまとめてみました。

上段表は「1日の下落が10%を超えた日」、下段表が「1日の上昇が10%を超えた日」です。その後の20立会日(約1カ月)後までと40立会日(約2カ月)後までを見ると、特徴的な傾向が見られました。

上段の1日の下落が10%を超えた日の後の相場は上昇する傾向、1日の上昇が10%を超えた日の後の相場は下落する傾向がありました。大きな下落を経験した後は、その反動からその後の株価は上昇します。逆に、大きな上昇を経験した後は、その反動で下落する傾向です。

ジェットコースター相場後は、堅調な相場が期待

ところで今年8月は、5日に大幅下落、6日が大幅上昇と、下落と上昇を共に経験しました。このため上表の結果では、その後、下落と上昇のどちらの影響が強いのかがわかりません。

そこで、次表の分析を行いました。「月内において、1日の日経平均株価の騰落率が5%を超えて、上昇と下落の“両方経験”した月の翌月以降の騰落率」を見たものです。

対象となった月は今回を除いて32カ月ありました。上表からその後の平均騰落率を見ると上昇しています。また、対象月のうちその後に上昇した月の割合を見た「勝率」についても、6カ月後までで75%と高い割合となるなど、その後の上昇傾向の強さが見られます。

過去の傾向から見ると、ジェットコースター相場後は、堅調な相場が期待されます。

吉野 貴晶:ニッセイアセットマネジメント 投資工学開発センター長

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