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ゲオとTSUTAYAに大差をつけた「本質的な違い」 地方でも、居抜きでも出せる業態があるか?

東洋経済オンライン / 2024年8月28日 8時10分

「都会に住んでいると地方を見なくなるものです。たまたまニチレイ時代に仙台支店にいた私は、東北地方を回った経験がありますから、地方の消費パワーは侮れない、競争が甘いぶん投資に対するゲインはより大きい、と思っていました」

ゲオを創業する前、ニチレイで働いていた……というのがまず驚きだが、それはさておき、そのような背景があって、地方に対する確かな眼差しは、創業時からゲオに受け継がれてきたのだ。

ここで思い出すのが、ゲオと並ぶレンタルビデオショップとして知られる「TSUTAYA」だ。同ショップを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)はここ数年、迷走状態が続いている……と言われている。

ゲオと同じく、レンタル産業の斜陽化に伴い、TSUTAYAの業績は衰退。近年のニュースでいえば、そのレンタル事業における最大のフランチャイズ加盟店だったトップカルチャーが、レンタル事業から撤退するニュースも記憶に新しい。

こうした流れに伴い、CCCはさまざまな業態にチャレンジしていく。プレミアムエイジ向けの書店で、代官山にオープンした蔦屋書店(2011年)、公共図書館とタッグを組んだ蔦屋図書館(2013年〜)、生活提案型の家電製品販売を行う蔦屋家電(2015年)、シェアラウンジ(2019年〜)など、注目を集めるものも多い。

しかし、どれもいくつかの都市に点在していたり、あるいは都心部で限定的に行われるコンセプトストア的なものが多く、ゲオにおけるセカスト的な、その企業全体の業績を支えるような決定的な業態を生み出せていないことは確かである。つまり、ゲオがセカストで成し得た「地方・郊外への出店」がうまく進んでいない。

また、本稿では本論ではないために軽く触れるにとどめるが、CCCはTポイントをはじめとするデータベースマーケティング事業に乗り出しているものの、そちらでもなかなか思うような業績が出せず、三井住友のVポイントと統合された。

こうした不調を裏付けるかのように、2023年度のCCC全体の決算は15.8%減となっている。セカストという柱を見つけたゲオとは対照的だといえる。

次なるセカストは生まれるのか

では、CCCが、セカスト的な業態を生み出す可能性はあるのか。

ここで注目したいのが、2024年4月にリニューアルオープンしたSHIBUYA TSUTAYAだ。

かつてのSHIBUYA TSUTAYAは、レンタルビデオショップとして、日本最大級の広さを誇る店内にぎっしりとDVDなどが並べられていたが、リニューアル後はそうした「モノ」が並んでいた空間はまったく違う姿を見せていた。

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