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ゲオとTSUTAYAに大差をつけた「本質的な違い」 地方でも、居抜きでも出せる業態があるか?

東洋経済オンライン / 2024年8月28日 8時10分

3・4階は広大なシェアラウンジとなり人々が滞留できる場所に、5階には「POKÉMON CARD LOUNGE」が広がり、ポケモンのカードゲームを通じて交流できる場所を作っている。また、1階には時期ごとに展示内容が変わるイベントスペースがあり、基本的に「スペース」が目立つ空間となっている。カルチャーを提供する「店」というより、カルチャーを共有する「場所」になったのだ。

以前、私は東洋経済オンラインにて、このSHIBUYA TSUTAYAを「絵空事にすぎないが、もしSHIBUYA TSUTAYAが成功して全国にSHIBUYA TSUTAYAのようなスペースが増えるのだとしたら、その拡大はわりあい簡単だと思う。というのも、ポップアップストアにしてもイベントスペースにしても、『空間』があればよいのであり、店舗開発には大きなコストがかからないからである」と書いた。

関連記事:渋谷TSUTAYAの大変貌は復活の序章かもしれない 「インフラを作る」企業ミッションの再定義だ

実際、誕生したポケモンカードラウンジはとても人気だというし、すでに各地のTSUTAYAの中にはポケモンカードの公式対戦場である「ポケモンカードジム」ができていたりする。ある意味「場所」があればよいのだから、居抜きでも対応できるし、こうした方向性は展開可能性があるかもしれない。

CCCの新規事業は「郊外での出店」は厳しめ?

しかし、それ以外はどうだろう。例えばシェアラウンジは、ある程度その周りにリモートワーカーがいなければ成立しない。また、イベントスペースも確実な集客が見込めなければ難しい。その意味で、こうした業態も都心に親和性が高いといえる。

私個人としては、SHIBUYA TSUTAYAの方向性は非常に面白く、興味深いと感じている。ここまで大きな企業があそこまで思い切ったフロア構成をしたことも素晴らしい決断だと思う。

一方、「地方郊外への展開」で見たとき、鮮明なビジョンが見えるかといえば、疑問が生じるのも確かだ。現状、「蔦屋書店」は都心以外でもそれなりに出店しているものの、出店場所がその都府県の中心部であることは確かだ。CCCの今後の展開は、どのようにして「地方郊外への波及可能性のある業態」を見つけるかにかかっている。

逆に言えば、都会しか見ない目線のみでビジネスを考えてしまうと、地方・郊外の消費パワーの恩恵を受けることができず、事業としては厳しくなる。ゲオ創業者の遠藤が言っていた「都会に住んでいると地方を見なくなるものです」という言葉が重く響く。

そう考えると、逆にいえば、セカストのように、地方郊外であれ、都心であれ(なおかつ海外も!)対応できる業態を発見するのが、いかに難しいのかがわかる、ということだ。

ゲオとCCC。かつてレンタルショップとして名を馳せた2つの企業の行く末は、「地方郊外」の攻略において、大きく差が付いているのかもしれない。

【画像10枚】レンタルDVDのイメージを脱し、すっかり「リユースの会社」となったゲオ。営む「セカンドストリート」の様子と、好調な業績推移

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谷頭 和希:チェーンストア研究家・ライター

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