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クルマ界の"カルトイベント"が公式化の意味 ディープなVolkswagenファンを訪ねてドイツへ

東洋経済オンライン / 2024年8月29日 12時0分

「50年前に最初のゴルフが、ここウォルフスブルグの工場でラインオフしたこともあり、GTIのコミュニティ、ウォルフスブルグ、ゴルフの3つの組み合わせは、完璧といえるものではないでしょうか」

「愛されるブランドに戻りたい」

実際に会場を訪れてみると、人、人、人……それに、ゴルフ、ゴルフ、ゴルフ……といった具合。

初代から最新の第8世代(ゴルフ8)までのゴルフGTIを中心に、4輪駆動の高性能モデルである「ゴルフR」や、モータースポーツ関係車両、ショップやオーナーの手になる改造車、そこに「ポロ」や「シロッコ」や「ルポ」などのスポーティなフォルクスワーゲンのハッチバックが混じる。

主催したフォルクスワーゲン本社によると、来場登録をした車両は700台。実際は2500台が訪れたそうで、会場とその周辺の道はGTIで埋め尽くされていた。

日本なら700万円を超える個体があるミントコンディションの初代や2代目のゴルフGTIも、数えきれないほどである。

「GTIがこれだけ人気を集めたのは、“パーフェクトなクルマ”だったからだと思っています。パーフェクトとは、たとえば学生が乗っても、ビジネスマンが乗っても、お金持ちが乗っても似合う。誰にでも似合うし、好きになってもらえるという意味です」

会場で話を聞いた際、シェファーCEOはそう語った。いまフォルクスワーゲンは、シェファーCEO指揮の下「LOVE BRAND」なるスローガンを掲げ、ブランドイメージの刷新を図っている。「愛されるブランドに戻りたい」と、私は説明を受けたことがある。

実際、会場の一画には「ID.GTI」も飾られていた。2023年9月にミュンヘンで開催された自動車ショー、「IAA MOBILITY 2023」でお披露目された、電動化時代のGTIという触れ込みのコンセプトモデルだ。こういうモデルが展示されるところが、メーカー主催イベントならでは。

「会場設定や予算を含めて、今回は私たちが主催しているため、よりたくさんのクルマを見せることができました」

フォルクスワーゲン取締役会メンバーで、乗用車部門のセールス・マーケティングとアフターセールスを担当するマルティン・ザンダース氏は、開催の背景について聞いたとき、上記のように答えた。

加えて、2025年に発表を計画しているコンパクトなBEV(バッテリー駆動EV)のコンセプトモデル「ID.2 all(アイディーツーオール)」や、6月の「ゴルフ50周年」記念イベントでも公開した、よりスポーティな「ゴルフGTI クラブスポーツ」や、パワーの上がった「ゴルフR」も、来場者の注目を集めていた。

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