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「人生100年時代」に若者が最優先で学ぶべきは AIを使いこなすにも必須のヒューマンスキル

東洋経済オンライン / 2024年8月29日 15時0分

日本の若者に向けて「人生100年時代」にどう生きるかを伝えるリンダ・グラットン氏(画像提供:「五島、ひと夏の大学」)

100年時代の人生をどう生きるか。日本で一大ムーブメントを起こした『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の著者、リンダ・グラットン氏が日本の若者にメッセージを送った前編に続き、今回の後編では今後手に入れるべきスキルについて語った。

『16歳からのライフ・シフト』で日本の若者に向けてライフ・シフト論を示したリンダ氏から、日本の若者は何を学ぶべきか、教師や親世代は何を教えるべきか、アドバイスをお届けする。

生成AIをいかに使いこなすか

いま高校生のみなさんは、100歳まで生きる可能性が高い世代です。ひとつの会社を勤め上げ定年で退職するような人生設計が現実的ではなくなり、働いたり学び直したり、再び働いたりといったマルチステージな人生を生きることになります。そのような時代に重要なスキルは何になると思いますか?

【図でわかる】これからの人生は3ステージからマルチステージに

まず、機械やテクノロジーとの付き合いが欠かせなくなります。私の人生を振り返ると16歳以降、常に機械を使う経験をしています。18歳のとき、工場で働き、チョコレートを包装する機械を使いました。

その後、20代半ばに大学の博士課程で学んでいたときには、コンピューターを使って研究をしていました。当時のコンピューターは部屋いっぱいの大きさで、データの分析をさせると一晩かかりました。今ではノートパソコンで解析できる程度の分析でも、それだけ時間がかかったのです。

そして2年前、ChatGPTなどの生成AIが登場して、みなさんと同じく初めて生成AIを使いました。つまり、私は人生においてずっと機械やテクノロジーを使い続けているわけです。そして、みなさんの人生ではこれらのテクノロジーがさらに圧倒的な役割を持ちます。

生成AIに関するひとつの実験データを紹介します。仕事でコンサルタントをしている人たちを2つのグループに分けて実験したものです。それぞれにプロジェクトのコンサルティングを依頼し、一方はChatGPTを使用し、もう一方は使わずに仕事をしてもらいました。

この場合、ChatGPTを使ったコンサルタントのほうがはるかに仕事の質が高く、スピードも速く仕上げられることがわかりました。ここで私がお伝えしたいのは、テクノロジーがもたらす恩恵を理解し、使いこなす必要性です。

テクノロジーは敵ではない

学校の試験ではChatGPTを使わないようにと言われているかもしれません。しかし、将来みなさんが優れた仕事、ハイパフォーマンスな仕事をするにはテクノロジーを使いこなすことがカギになります。

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