誰が買い、どう使う?「中古スマホ」活況続く理由 スマホ価格高騰で新品の販売台数は低迷中
東洋経済オンライン / 2024年8月29日 8時0分
海外の中古市場では偽造品のiPhoneが出回ることもある。ゲオモバイルでは、買い取り時に真贋をチェックするほか、専用のソフトで前所有者のデータを削除し、センサーやタッチパネルなどの細部に至るまで動作確認。こうした姿勢で顧客からの信頼を得ている。
秋葉原と渋谷は売れ筋が違う
ゲオストアの小林巧エリアマネージャーは「地域ごとに売れ筋の機種はまったく違う」と話す。例えば、渋谷のゲオモバイル。iPhone5~7あたりの旧式を求める客が急増している。これらの販売価格はおおむね1台数千円ほどだ。
安価なことから、おもちゃのカメラ感覚で使う若者が目立つという。「最近の機種より粗い画質が『エモい』とSNS上でブームになった。流行やファッションに敏感な層に受けており、韓国人女性が旅行ついでによく探しに来る」(小林氏)。
もちろん、中古スマホの需要は外国人ばかりにとどまらない。中古スマホはSIMフリーやロック解除済みの品を選べば、電話番号を変えずに機種変更ができる。日本でも、用途ごとに機種を分ける「2台持ち」が浸透しつつある。子供に与える初めての携帯電話として、あえて中古品を選ぶ親も増えている。
上記のような目的では、格安SIMを利用するケースも多い。大手キャリアと比べて通信速度が不安定などのデメリットはあるものの、月々の料金を大幅に抑えられる。
ゲオモバイルを展開する業界最大手ゲオホールディングス(HD)でも、2023年度の中古スマホ・タブレットの売上高は約357億円(前年度比12.3%増)と好調だった。同年度末で全国に約600店あるゲオモバイルを、2025年度中には800店へ増やす方針だ。
過度な新品端末の値引きをめぐる規制強化も味方する。大手キャリアによる「1円スマホ」を規制しようと、国は2019年10月に電気通信事業法を改正。携帯電話と回線契約をセット販売する際の値引きに、2万円(税抜き、以下同様)の上限が設けられた。
2023年12月には、値下げ上限が4万円(端末価格が4万円以下の場合は上限2万円)に緩和された。一方、これまでは除外されていた端末単体での販売も対象となり、実質的に規制は厳しくなった。
ゲオHDモバイル商品課の藤巻亮マネージャーは「かつては新品を安く入手できたため、中古を選ぶ動機が弱かった」と振り返る。中古相場が手頃なiPhone SE2など、初期費用を抑えられる機種の人気が高まっているという。
「埋蔵スマホ」は3億台超の試算も
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