誰が買い、どう使う?「中古スマホ」活況続く理由 スマホ価格高騰で新品の販売台数は低迷中
東洋経済オンライン / 2024年8月29日 8時0分
販売だけでなく、買い取りも増えている。古くなったスマホの処分方法といえば、機種変更する際の下取りが一般的だった。ただ、大手キャリア3社の還元方法はポイント支給。中古店に持ち込めば、現金に直接換えられる。
藤巻氏は「中古スマホの取引は、日本より海外の方が活発だ」と指摘する。ゲオHDは関西大学の宮本勝浩名誉教授と協力し、使わなくなって家庭などに保管されている携帯電話の数を試算。2022年時点で国内に約3億0555万台あり、市場価格の合計は約6兆5000億円に上るとの推計が出た。
中古市場のさらなる活性化には、こうした「埋蔵品」の活用が欠かせない。ゲオHDは昨年7月、無料で簡単にスマホを査定できるアプリをリリース。店頭では美品だけでなく、画面の破損などがある「ジャンク品」も積極的に買い取っているという。
中古スマホの売買で得する秘訣はあるか。藤巻氏は「新型iPhoneの発売直後は、1年で最も買い取りが盛り上がる時期」と明かす。最新機種を手に入れた消費者が、それまで使っていたものを手放す傾向にあるからだ。
業者側は例年この時期、客を呼び込もうと、通常よりスマホの査定価格を優遇するキャンペーンを仕掛ける。買う側にとっても、この時期は中古市場の在庫が潤沢となるため、希望に添ったものを選びやすい。新型iPhoneの話題に沸く9月、実は中古店も活況を迎えるシーズンなのだ。
石川 陽一:東洋経済 記者
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