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あなたのスマホを乗っ取る「SIMスワップ」の脅威 本人確認に必要なショートメッセージを受信

東洋経済オンライン / 2024年8月29日 10時0分

最近、Netflixの「地面師たち」というドラマが話題だが、パスポートや運転免許証など、券面だけであれば簡単に偽造することが可能だ。ただし、券面の写真やすかし、ICチップを埋め込むことはできても、ICチップの中身まで偽造することは不可能だ。

キャリアショップでICチップの中身まで確認すれば、SIMスワップは起きなかったと思われるが、本人と思われる人を前にして、そこまで厳密な本人確認をしなかったようだ。

マイナンバーに一本化するのが理想だが…

一部のキャリアでは「直近では(SIMスワップのような)報告は受けていない。数年前に同じような疑わしい案件があったため、店頭での本人確認をしっかりと強化してきた」(KDDI、髙橋誠社長)と対策を万全にしてきたところもある。

そんな中、デジタル庁では2024年8月20日、マイナンバーカードを使った対面での本人確認を可能とする「マイナンバーカード対面確認アプリ」の配信をiOSとAndroid向けに開始した。

このアプリを起動すると、まずマイナンバーカードの券面を撮影。さらにスマートフォンのNFCポート部分をマイナンバーカードに当てると、ICチップに記録されている情報を表示させることができる。これにより、券面とICチップの情報が合っているかの確認ができるというわけだ。

今後、キャリアのオンラインショップでは本人確認はマイナンバーカードに一本化される。ただ、街中のキャリアショップ、リアル店舗ではマイナンバーカードだけでなく、運転免許証や在留カードでの本人確認も行っていくという。

SIMスワップの被害をこれ以上拡大させないためにも、リアル店舗でもマイナンバーカードによる本人確認に一本化するのが理想だ。だが、一方で「マイナンバーカードの取得は任意のはず。携帯電話契約時の一本化は強制的に取得の義務化につながる。おかしい」という反対論も根強いため、一筋縄ではいかないようだ。

携帯電話契約時の本人確認については、事業者や関係省庁の思惑が交錯する。

警察庁としてはスマートフォンが犯罪に利用されるのを防ぐため、本人確認の厳格化を求めている。一方でキャリアとしては、他社からユーザーを少しでも取り込みたいため、本人確認はできるだけ簡素化したいというのが本音だ。

特に2020年に第4のキャリアとして新規参入した楽天モバイルは昨年まで契約者の獲得に苦労していた。

実際「料金プランの安い楽天モバイルを契約しようと思ったが、本人確認が難しくて諦めた」という人がおり、楽天モバイル事業の赤字に苦しむ三木谷浩史会長にとって頭痛の種であった。

本人確認を簡素化して契約者数を伸ばした

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