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あなたのスマホを乗っ取る「SIMスワップ」の脅威 本人確認に必要なショートメッセージを受信

東洋経済オンライン / 2024年8月29日 10時0分

オンラインで携帯電話会社を契約するには、運転免許証やマイナンバーカードなどをスマートフォンのカメラで撮影し、さらに自分の顔を撮影しつつ、顔を横に振ったり、まばたきしたりと結構、面倒な作業が必要となる。その段階で、操作が上手くいかず、挫折する人がとても多いのだ。

そこで、楽天モバイルは2023年、すでに楽天銀行や楽天証券、楽天生命のいずれかを契約している人は「本人確認済み」として、楽天モバイルの新規契約時の本人確認書類の撮影、提出を不要とした。

これにより、本人確認の手続きが大幅に簡素化。同時に法人契約やキャンペーンなどが功を奏し、2024年から楽天モバイルの新規契約数が一気に伸びることになった。

プラスチックによる物理的なSIMカードではなく、契約情報をスマートフォンに直接書き込むことで通信できる「eSIM」に対応する機種も増えている。オンライン契約とeSIMを組み合わせることで、ショップに行かなくても簡単にキャリアを乗り換えることができるため、ユーザーにとっても利便性は高い。

ただ、一方で、本人確認が手薄な状態でeSIMを発行すると、厄介なことになると懸念するキャリアもある。

KDDIの髙橋誠社長は「eSIMに関してはネットで非常に簡単に再発行できてしまう事業者がいると認識している。このあたりについては総務省に指導していただきたい。乗り換えの推進よりも重要な課題ではないか」と指摘する。

乗り換えやすさを重視し、本人確認が手薄になれば、結果として、犯罪に利用される可能性が増してくる。

キャリア間の競争を促進しつつ、いかにSIMスワップを防いでいくか。難しい舵取りが迫られているのだ。

石川 温:スマホジャーナリスト

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