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「新鮮味ない」立憲代表選、自民"お祭り騒ぎ"に埋没 政権交代にらみ「昔の名前」ばかりが前面に

東洋経済オンライン / 2024年8月29日 8時0分

そこで問題となるのが、野党第1党としての代表選への取り組み姿勢だ。先頭を切って出馬表明した枝野前代表は、出馬会見で「古い政治に終止符を打ち、新しい時代へ向かって進む時だ」と前置きし「この国のあるべき姿や党が進むべき道を、自信を持って掲げていくことが私の役割。逃げることなく時代の転換の先頭に立つのがわたしの使命だ」と出馬の理由を語った。

これには党内からも「枝野氏のような昔の名前がしゃしゃり出てはダメ。そもそも、3年前の衆議選敗北の責任をとって代表を辞任した人物が、『古い政治に終止符を打ち、時代の先頭に立つ』と言うこと自体がナンセンス」(若手幹部)との批判が相次ぐ。さらに、枝野氏の他に現代表の泉氏、総理経験者の野田佳彦氏、元代表代行の江田憲司氏、元国交相の馬淵澄夫氏が出馬を検討している状況だが、「いずれも『昔の名前』に属する人たちばかりで、国民が期待する刷新感はみじんもない」(同)のが実態だ。 

そうした中、26日になって突然、当選1回の吉田晴美衆議院議員が出馬への意欲を表明した。今回代表選で女性議員が手を挙げるのは初めてで、党内にも大きな波紋を広げた。吉田氏は2021年衆院選東京8区で出馬、自民党の石原伸晃元幹事長を破って初当選して注目された人物。代表選出馬を目指すにあたり「永田町に染まっていない私達1期生の視点から、そして生活に密着した私達女性の視点での代表選の論戦、これを喚起していきたい」と胸を張った。

そこで問題となるのが、代表選の仕組み。自民党と同じ推薦議員20人を出馬の条件としている点だ。立憲民主の衆参議員は133人で自民党の36%強。仮に全員が誰かの推薦人になっても、立候補できるのは最大6人で、泉代表すら推薦人が確保できるか微妙というのが実態だ。

しかも依然として一定の影響力をもつ小沢一郎氏が率いる「一清会」(約15人)は「候補者が出揃った段階で誰を支持するか決める」(小沢氏)としているため、「実際には出馬できるのは5人以下」(党幹部)とみられている。だからこそ、吉田氏らは推薦人20人について「ハードルが高すぎる」と注文をつけるが、執行部は「次回から検討する」という煮え切らない対応だ。

立憲党内には自民の派閥と同様に複数のグループが存在する。その中で、旧立憲民主党の生みの親である枝野氏はコアな党員からの支持を背景に、推薦人も確保できたとみられる。また野田氏には首相経験者としての安定感があり、党内の若手・中堅からなる「直諫の会」が出馬要請し、小沢氏のグループも推す構えで、推薦人確保は確実だ。一方、党関係者は「泉氏でも推薦人確保には不安があり、馬淵氏は極めて困難」と指摘。さらに吉田氏についても「若手や女性が総決起しない限り出馬は困難」とみている。

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