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株価の調整局面こそ「千載一遇の大チャンス」 バフェット氏も実践する「超割安」投資法

東洋経済オンライン / 2024年8月30日 11時0分

そしてもし可能であれば、考えたことを紙に書いておく。頭の中だけですと、いざという局面で冷静な判断ができなくなることがあるので、その時に冷静になることを助けるツールを用意しておくことが大切だからです。また、できれば最悪シナリオを考えて、最悪の状態でも耐えられるようなポジションにしておくことも大切です。

このとき重要なのは、将来を正確に予測することではありません。これはどんなに努力してもある一定以上の確率にはならないからです。プロでも市場で起こることを正確に予想することなどはできないのです。それよりも、予想は外れる、予想はできないということを前提に、自分の見通しが外れた時に、修復不可能な損失を被らないようにすることが重要です。

投資をするうえで、時として損失を出すことは避けられません。私は常々、損失を出すことを恐れてはいけないと言っています。損失を恐れると投資はできないからです。ただ、損失を出すことと、回復することが不可能な損を出すことはまったく異なります。大切なのは取り返しのつかない損失を出さないように準備しておくことなのです。

資産配分のルールを決めておく

突発的な事象に対しても、予測可能なリスクに対しても同じですが、大切なのは資産配分のルールを決めておくことです。もちろん、すべての資産が同時に下落するようなこともあり得ます。それでもすべての資産が同じ率で下落するわけではなく、騰落率は資産ごとに異なりますし、中期的には各資産でリスクリターンを相殺し合います。

特定の資産への過剰な投資や、レバレッジ(負債を活用して純資産以上に投資すること)を活用した投資を行わなければ、取り返しのつかないような損失は避けられる可能性が高いというのが、資産運用の知恵です。特に現金は、通常の場合、少なくとも短期的には価値は減価しないので、資産の一定割合を現金で持つと損失を回避できます。

資産配分のルールは普段からしっかり決めておく必要があり、相場が急変してから考えるものではありません。資産運用で儲けるという発想ではなく、資産を守り育てるという発想から生まれているのがリスク分散を利かせた資産配分の考え方です。そこで決めた資産配分に従い、自分が付加価値を取れると考える資産の中で、個別にリスクをとった投資を行って付加価値を付けていくというのが安定した資産運用の基本とされています。

京セラの創業者、稲盛和夫氏のことばに「楽観的に構想して、悲観的に計画して、楽観的に行動する」というのがあります。投資も同じでリスクを考えすぎて始めなければ、リターンを得ることもできません。アイデアを思いついたら慎重になりすぎず、まずは投資してみるという精神は大事だと私は考えています。

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