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「守る日本」と「攻める中国」ASEAN自動車最前線 中国メーカーが「東南アジア」を攻めるワケ

東洋経済オンライン / 2024年8月30日 9時30分

アルファード/ヴェルファイアはインドネシアでも高級車として人気を誇る一方、中国車の猛進が続く(筆者撮影)

日本車が多く売れる地域といえば、多くの人が北米、特にアメリカ合衆国(以下アメリカ)をイメージすることだろう。

【写真】アルファード/ヴェルファイアはインドネシアでも人気だが、中国メーカーの急伸はとどまることを知らない

たしかにアメリカの新車販売ランキングを見ると、トップ3こそ現地メーカーのピックアップトラックが常連だが、4位以下は日本車が多くランクインしている。

アメリカから撤退し、インドに注力するスズキなど例外もあるが、多くの日系自動車メーカーの経営は、アメリカ市場抜きに語れないのが現状だ。

しかし、それ以外にも日本車が強い地域が存在する。そのひとつが、東南アジア。

たとえば、人気の海外旅行先となっているタイは、少し前まで新車販売における日本車比率が9割に達していた。「新車の10台のうち9台が日本車」という状況は、東京都23区を上回る。

とはいえ、そんな状況に変化が訪れていることは、これまでもレポートしてきた。2023年のタイにおける新車販売の日本車率は、78%まで低下。最大の理由は、言うまでもなく中国車の躍進だ。

10%を超えたタイのEVシェア

中国メーカーは、EV(電気自動車)を中心にハイブリッドなども用意する戦略で、日系メーカーの牙城を崩そうと躍起になっている。

タイでEVを選ぶ人の多くは、地球環境のためではなく、経済合理性からの選択だが、そんな人たちに“内容を考えればリーズナブルな中国のEV”が選ばれているのだ。

安価なモデルであれば、日系のハイブリッドカーを選ぶよりも安く購入できる。日系メーカーのEVは高額モデルが中心で、しかも車種が少ない。中国メーカーが、“その隙に入ってきた”のである。

【写真】インドネシアのモーターショーで見た日本や中国のクルマを一気に見る(41枚)

タイの新車市場におけるEVシェアは、2023年後半以降10%を超え、10%台前半で推移している。日本とは比較にならないほどEV販売比率が高く、その中心が中国メーカーというのが、タイの現状である。

筆者はEV推進論者ではないが、さすがにシェア10%を超えてくると、顧客が求めるEVを提供できないのはビジネス的に厳しいと思う。

EVの投入で中国勢に後れを取った日本車がどこまで踏ん張れるかが、タイにおける新車市場で注目すべきポイントである。

何を隠そう、そんな状況が起きているのはタイに限らない。これまでタイ同様に日本車比率が高かったインドネシアもそのひとつだ。

なぜ、中国メーカーは東南アジアを狙うのか?

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