「しょせん他人事」描く炎上事件の"リアルな過程" 中島健人演じる弁護士がSNSの誹謗中傷と戦う
東洋経済オンライン / 2024年8月30日 14時0分
情報開示請求を進めていくと、その店のアルバイトがストレスとイライラからやっていたことが判明。店主は、大事になって言い出せなかったという彼の謝罪を受け入れる一方で、やったことへの責任を取らせた。
その回では、バカッターと呼ばれる事例にも触れられている。ある大学生が居酒屋のアルバイト仲間とその場のノリで撮った、食材にキスする動画が流出し、炎上。アルバイト先から損害賠償を求められた。それだけに終わらず、デジタルタトゥーとして残ることで、就職活動などその後の彼の人生に大きく影響を及ぼすことを痛切に伝えた。
直近の第5話では、10年前に自身が起こしてしまった傷害事件に関するネット記事や、書き込みをネット検索結果から削除したい黒川大樹(浅利陽介)が保田を頼る。保田はネットメディアに記事を削除させるが、当時の事件被害者が加害者となる事故を起こしたことで、10年前の傷害事件も再び掘り起こされてしまった――。
加害者がそろって口にすること
これらのエピソードは、どれも実際に起こりえる話。それぞれのケースは異なるが、加害者たちに共通しているのは「悪気はなかった」「みんなやっている」「自分は悪くない」と口を揃え、加害者の立場で訴訟を起こされるなど想像もしていなかったことだ。
そんな彼らに対して、被害者たち全員が毅然とした態度を取る。謝罪は当然だが、反省しているからといって、それで終わることはありえない。裁判手続きの詳細な過程を含めて、人を傷つけることの重さと、それによって加害者たち自身が受けるそれぞれの人生の負の影響を生々しく映し出す。
さらに中島健人の主演や、20時からという放送時間、ポップで楽しく見られる映像演出からは、スマホが日常の欠かせないツールになっている若い世代に向けて、SNSやネットにおける安易な発信や情報拡散への警鐘を鳴らそうとする意思も感じられる。
そんな本作だが、気になることもある。
さまざまな炎上ケースにおける、誹謗中傷などの発端となった加害者たちのリアルな姿とその末路をまざまざと映し出すことには、社会的意義があるだろう。
同時に、誰にでもある一度の失言や失敗を掘り起こし、意図的に大事件に仕立て上げるネット社会の“炎上仕掛け人”たちの悪意と、その存在自体の醜悪さや害悪をこそ、もっと描いてほしいと感じるのだ。
メディアにも責任がある
本作に登場するような誹謗中傷を、最初に発信または拡散した加害者たちには、悪意の有無や、理由の如何にかかわらず、当然ながら責任が生じる。
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