"走るスマートフォン"が車業界に革命を起こす シャオミのEV「SU7」が示す未来のモビリティ
東洋経済オンライン / 2024年8月31日 8時0分
なお、スマートフォンメーカーによるEVの開発はすでにファーウェイが先行しており、2021年に「AITO」を中国で発売した。このAITOは自動車メーカーのSeres(賽力斯)と協業して開発したものだ。AITOにもファーウェイのスマートフォンが採用するシステム「HarmonyOS」が搭載され、スマートフォンとのスムーズな接続体験を特徴とする。また、ファーウェイ以外にも大手自動車メーカーGeely(吉利汽車)がスマホメーカーMeizuを買収して同社のシステムを採用するなど、中国では自動車とスマートフォンの融合が確実に始まっている。
シャオミはEV市場を席巻するか?
とはいえ中国のEV市場は逆風が吹いており、多くのメーカーが苦境に立たされているのも事実だ。新興EVメーカーのNIO(上海蔚来汽車)は2023年のEV販売台数を前年より増やしたものの、低価格競争に巻き込まれ同年決算は赤字幅を広げた。NIO以外でも新興メーカーを中心に中国のEV市場は暗い話がこのところ多い。こうした状況の中でシャオミのEVは販売数を伸ばすことができるのだろうか?
シャオミの2024年第2四半期(4月~6月)の決算によると、EVの納車台数は2万7307台だったという。ちなみに2024年通期の納車台数の目標は12万台だ。テスラの発表によると同社の2023年のEV販売台数は180万8581台。シャオミはその1/10にも満たないが、新興メーカーの1年目の数字としてみれば十分に健闘した数だろう。
シャオミSU7の価格は21万5900元(約436万円)からで、同性能の他社のEVより割安だ。この価格競争力はシャオミの大きな強み。しかし、価格の強みだけではNIOのように、いずれ自らの体力を奪いかねない。
シャオミがEVを作る最大の強みは、スマートフォンメーカーとして常に最新のシステム開発を進めていることだ。EVは、もはや「走るスマホ」であり、モーター温度や車体の揺れ具合などEVそのものの情報収集・解析や、道路交通情報、天気から最適なナビゲーションルートを算出するといった技術もスマートフォンのシステム開発の延長として行える。今後、実用化されるであろう自動運転では自動周辺の高度な環境感知や遅延のないブレーキシステム、それらを総合的に処理するAI性能が必要とされるが、それらの面でもシャオミはトップグループに位置する技術力を発揮できるだろう。
素材のみならず、ハードウェアの自社開発も進めている
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