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トップリーダーには「話す前」の共通点があった 口下手でも準備をすれば人前で話す力は習得できる

東洋経済オンライン / 2024年9月1日 17時0分

さらに世界が注目したのは、演説後に「ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた1枚の写真でした。

演説中の安倍氏を後ろから撮影したその写真には、英語で書かれた手元の原稿がはっきりと映し出されています。そこには練習の跡がはっきりと見てとれました。ピンクのマーカーで大事な部分に線を引いたり、イントネーションを示す記号をつけたり。

日本語で「顔上げ、拍手促す、収まるのをまち」などの伝え方の注意点も書き込まれたりしているのがわかります。なかには、聴衆の人の名前を並べた手書きの原稿もあり、話す直前、もしかしたら1分前まで推敲していた跡がうかがえます。

練習であなたもトップリーダーばりの話す力を表現できる

準備や練習の量と、成功の数は比例します。事前に十分な準備と練習をすることで、あなたも人前で堂々と伝わる話し方ができるようになります。

もしかしたら、「いつものメンバーしかいないから」「大したプレゼンじゃないから」と、練習なしに本番に挑んでいるという方もいるかもしれません。他の担当者が作ったスライドに当日ざっと目を通しただけで本番に挑むというケースも、時間の制約上やむを得ない場合もあるでしょう。

そうはいっても、トップリーダーのような大変な準備は自分にはできない。むしろ、正直そこまでやりたくない。内心そう思っている方に朗報があります。話し方が少しでもうまくなりたいなと思うなら、今こそ楽に実現することができるタイミングです。

なぜなら年々スピーチトレーニングは、より簡単に、より手軽になっているからです。その理由は技術の進化です。

私が指導を始めた21年前は、道具をそろえる必要があり時間もかかりました。例えば、本書でも紹介している「自分の話している様子を録画し文字に起こす」という方法。

今ではスマホで簡単に録音ができ、AIを使えばものの数分で文字起こしデータが出力されます。以前は何日もかけて苦労していた資料作成も、AIでプロのようなスライドや動画、表やグラフを簡単につくることができます。今ほど、簡単に効率よく、世界のトップリーダーのスキルをマネできる時代はないのです。

人前で話す力は、誰でも事前にやるべきことをやれば、必ず習得できます。

たとえあなたに苦手意識があろうが、緊張するタイプだろうが、口下手だろうが、関係ありません。もちろん政治家だけでなく、ビジネスパーソンも同様です。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズも、プレゼン前は、「何時間も真剣に練習した」とビジネスウィーク誌が伝えています。例えば、5分間のデモプレゼンを行うために、チームは数百時間の準備を行い、ジョブズ自身も丸2日間のリハーサルを行いました。うまくできないときの彼はイライラが募り、「ちゃんとできるまでくり返すぞ」と叫ぶ。その姿は異常なほどだったとされています。

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