「もったいない」医療費をしぶった妻が知った真実 診察代や薬代を抑え、適切な治療を受けるコツ
東洋経済オンライン / 2024年9月1日 8時0分
お金を理由に、本来受けるべき医療を自己判断でセーブしてしまう――。今、困窮世帯のみならず、一般的な所得の世帯でも、こうした問題が生じている。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)の連載。
今回は、お金を理由に適切な医療を受けてこなかった難病患者や、「子どもにお金を残したい」という理由からがん治療を制限する母親のケースを基に、適切な医療につながるためのポイントや考え方を解説する。
パーキンソン病の疑いで、体を思うように動かせなくなっていたAさん(男性、70代)。同居する妻がAさんの介護をしています。筆者の夫婦との出会いは、Aさんのケアマネジャーから筆者に「診てもらいたい患者さんがいる」と、連絡が入ったことがきっかけでした。
【図表で見る】指定難病患者への医療費助成制度-医療費助成の対象となる人-
国の「指定難病」になっている病
パーキンソン病とは、脳の異常から動作が遅くなる、手足が震える、バランスが取れなくなるといった、主に体の動きに関わる症状などが表れる病気で、国の「指定難病」にもなっています。
医師から指定難病と診断され、かつ重症度分類に照らして病状の程度が一定以上である場合などでは、難病法によって医療費の助成を受けることができます。
しかし、Aさんはパーキンソン病の疑いで、医師から確定診断のための検査など勧められていたにもかかわらず、確定診断は受けないままに過ごしていました。
妻が確定診断を受けるために必要な検査代を渋っていたのに加え、難病の医療費助成などについての知識があまりなく、「診断を受けても意味がない」と思い込んでいたのが最大の理由だったようです。
聞けば、Aさんの通院が難しくなってからは、妻がAさんの代理で受診し、本人の通院時と同じ薬を継続して処方してもらっていたといいます。
言わずもがな、患者さん本人でなければ薬を処方してもらうことはできません。本人の症状を直接診ないことには、医師も適切な薬の処方ができないはずです。
お金を使うのはもったいない
実際、筆者がAさんと初めて会ったときは、Aさんの状態が通院時とは変わってきており、以前の薬では合わなくなっていました。その結果、血圧が下がり過ぎているなどの問題が表れ、トイレで失神してしまうなどのトラブルも続いていたようです。
正直、本人の診察なしに薬の処方を続けていた外来の医師にも大きな問題があります。それも含め、こうした状況を見かねたケアマネジャーが、筆者に訪問診療を依頼してきたという流れだったのです。
この記事に関連するニュース
-
20年前の3倍「家で看取る」医療を選んだ妻の想い 最期は自宅で…「在宅医療」の中身と費用を解説
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時10分
-
《がん医療の壁》病院の“実態”を知る厚労省元技官に聞いた“再発がん”の乗り越え方と“名医の悪癖”
週刊女性PRIME / 2025年1月10日 7時30分
-
【セミナーレポート】『5人に1人が認知症の時代!再生医療と法的対策の最前線』
PR TIMES / 2025年1月7日 12時15分
-
【難病シンポジウム開催レポート】Innovation for NEW HOPEシンポジウム ~難病の診断と治療の今と未来 みんなで支え合える社会を目指して~
PR TIMES / 2024年12月23日 13時45分
-
Medii Eコンサルでの症例相談件数が1万件を突破
PR TIMES / 2024年12月20日 16時45分
ランキング
-
1高齢者は「体重」が重要…標準を下回ると死亡リスクが急上昇
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月15日 9時26分
-
2芸能人なぜ呼び捨て?「日本語呼び方ルール」の謎 日鉄会長の「バイデン呼び」は実際に失礼なのか
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 9時20分
-
3天正遣欧使節・千々石ミゲルの墓、長崎県諫早市の文化財に…ミカン畑での墓石発見から20年
読売新聞 / 2025年1月15日 17時0分
-
4「室内寒暖差がつらい…」その要因と対策が明らかに! - 三菱電機が紹介
マイナビニュース / 2025年1月14日 16時10分
-
5スニーカーのインソールを変えるだけで「靴の機能は劇的にアップ」する。“初心者が買うべき”一足とは
日刊SPA! / 2025年1月15日 15時51分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください