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自分のケアができないリーダーは部下に嫌われる グーグルが注目する自分で心身を整えるスキル

東洋経済オンライン / 2024年9月2日 15時0分

ビジネススクールの学生を10日間にわたって調べたところ、セルフ・コンパッションを取り入れることができた翌日の朝は、疲れが少なかったのです。近年、このような実証データが次々と報告されています。

データだけではありません。実際に、セルフ・コンパッションがみなさんを救うのです。資金調達に奔走するある起業家は私にこう語りました。

「重圧を抱えるリーダーにとって、セルフ・コンパッションは、あったらいいなどという次元の話ではない。絶対に必要なものだ」

その通りではないでしょうか。重圧でリーダーが倒れてしまったら、スタートアップにとって、事業継続のうえで致命的です。

リーダーは重圧に対して、「なんとか、このしんどい時期を乗り越えよう」という精神論で立ち向かってはいけません。

みなさんには、セルフ・コンパッションという確かな技術と方法論を使い、リーダーにのしかかる重圧に向き合い、ご自身のコンディションを整えていただきたいのです。

しかし、みなさんはこう思うかもしれません。

「たしかに、セルフ・コンパッションを取り入れれば、燃え尽きたり、疲れ切ったりすることは減るかもしれない。しかし、自分にやさしくしてしまったら、自分を優先してしまい、メンバーを鼓舞したり、支援したりできるのだろうか」

これもよくある誤解です。

セルフ・コンパッションは、リーダーシップのダークサイドを減らすだけではありません。セルフ・コンパッションは、リーダーシップの実践そのものも強力に後押ししてくれます。

あるボランティア団体でチームリーダーに参画した小林誠さんの話をしましょう。

そもそも、ボランティア団体でリーダーシップを発揮するのは、とても難しいものです。なぜならば、金銭的な報酬でメンバーのモチベーションを維持することができないうえ、集まるメンバーのスキルや経験もさまざまだからです。

小林さんも、そうした難しさの中で、リーダーの仕事に四苦八苦していました。大量の仕事をさばく必要があるのですが、メンバーが手を動かしてくれないのです。いつも、やるべきことの5割程度しか進捗していません。

小林さんは、仕事をしてくれないメンバーに不満をつのらせます。小林さんは、メンバーにこうしてほしいと繰り返し依頼しますが、強制することができないことにいら立ちを感じます。自分の仕事も滞っていきます。

ストレスは増える一方です。頭の回転も鈍くなります。小林さんは、悪循環に陥ってしまったのです。

セルフ・コンパッションの要素

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